知的財産ニュース 韓国型の白色光源を実現するためには

2013年6月18日
出所: 韓国特許庁

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白色LED向け蛍光体の特許動向と戦略

韓国の独自技術で開発した白色LEDが家庭やオフィスの蛍光灯を代替する日が早期に実現するのだろうか。初めての白色LEDは、黄色発光蛍光体の結合を通じて白色を実現させることができた。

こうした白色LEDのコア素材とされる黄色発光蛍光体の独自開発は、白色LEDの国産化において最も急がれている問題であり、2016年に15兆ウォンを超えると予想される白色LEDの世界市場を先取りできる重要な素材産業でもある。

韓国特許庁によると、2008年から2012年までに蛍光体分野では、計24,975件の出願が行われ、韓国人による出願が1,522件と61.4%を、外国人が957件と38.4%を占めていた。世界経済の影響を反映したためか、外国人の出願は、最近減少傾向にある。

韓国の蛍光体に関する主な出願人として、サムスンSDI、韓国科学研究院、LG電子などで、産業界と研究所で積極的な研究開発が行われている。主に日亜の特許を回避するため、白色の具現方式を変更したり、新たな蛍光体物質を探索したりする方向で進められている。

韓国特許庁の関係者によると、現在、韓国で特許権のある日亜の白色LEDの独自特許は、4年後にその特許権が満了される。日亜は、1997年7月29日に初めて韓国に特許出願を行い、国際特許出願(PCT)がなされた。韓国で特許登録されたのは2005年9月20日で、2017年7月28日まで特許権の行使が可能だ。

しかし、独自特許の特許権が消滅したとしても、関連の改良特許を回避することが課題として残る。

室化物系、及びシリケート系に基づいた白色LED向け蛍光体の一部の技術を確保している韓国企業もあるが、現在は、日亜をはじめとする海外メーカーが独自特許を基盤にした白色LED向け蛍光体の大半を供給している。今後、白色LED分野で独自技術を開発し、外国の特許を越えられる特許技術が登場する日を待っている。

資料:年度別における蛍光体関連の特許出願の動向

年度

2008

2009

2010

2011

2012

合計

韓国人

236

346

328

353

327

1,590

(61.6%)

外国人

252

266

305

122

45

990

(38.4%)

合計

488

612

633

475

372

2,580

(100%)

図:年度別における特許出願件数グラフ

資料:多出願した出願人

順位

韓国人

件数

外国人

件数

1

サムスンSDI

157

松下電機産業

36

2

韓国科学研究院

96

東芝

35

3

LG電子

34

住友

35

4

ソウル半導体

32

コニンクリーズケ・フィリップス・エレトロニクス

29

5

サムスン電子

27

オスラム

28

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