知的財産ニュース 電気工学に偏重している特許「多角化が切実」

2013年6月25日
出所: 電子新聞

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韓国からの特許出願件数が最も多いのは、国では米国、分野では電気工学に偏重していることが分かった。市場が著しく成長している中国などへの市場多角化と、主力産業分野の特許出願を拡大し、企業の競争力を強化すべきだという声が高まっている

韓国知識財産研究院は、2005年から2011年までの特許先進5カ国(IP5)の国籍別における特許出願の分布を把握した結果、韓国は、米国特許庁に集中出願していることが明らかになった。米国特許庁に出願された特許の中で6%は、韓国からの出願だ。欧州特許庁(3.6%)、中国特許庁(1.6%)、日本特許庁(1.5%)に出願された韓国出願よりその割合が高い。同研究院の関係者は、「韓国の主な輸出先となっている中国・日本・欧州における特許出願と登録が比較的に低い水準となっている。特許競争力を確保のためには、市場規模が大きい中国や欧州への特許出願を増やさなければならない」と指摘した。

米国が特許係争の舞台として注目されているが、著しい成長を成し遂げている中国市場の念頭において、特許競争力を再確認すべきだというのが専門家は強調する。知識財産フォーラムのキム・ミョンシン会長は、「中国が経済成長だけでなく、知的財産権の確保という面でも頭角を現している。海外に特許出願するのとき、中国市場は無視できない状態だ」と説明した。昨年、韓国の対中国輸出規模は、1343億2256万ドルで、海外輸出の割合では最も大きい。

技術分野でも偏重は明らかになった。世界知的所有権機関(WIPO)の5代技術分類となっている電気工学、光学・医学・核技術、化学・製薬、機械工学、その他の技術のうち、韓国の特許出願の割合は、電気工学(38.6%)が最も多い。化学・製薬(19.7%)、機械工学(19.6%)が後を継いだ。電気工学が伝統的に強みとなっているが、国内の主力産業の特許管理水準は低いという指摘だ。

知識財産研究院は、「自動車や造船など、主な輸出産業の特許出願・登録の管理の再確認が必要だ。研究開発の成果が知財化され、保護を受けられる環境が求められる」と強調した。ある弁理士は、「創造経済の実現に向け、様々な産業分野で特許出願が行われ、次世代成長エンジンをリードする基盤を固めるべきだ」と説明を加えた。

クォン・ドンジュン記者

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