知的財産ニュース キム・ホウォン特許庁長、「知的財産スター企業を育成」

2013年1月13日
出所: 電子新聞

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「知的財産分野にもベンチマークできる優秀企業が必要です。今年から「知財スター企業」を選定し、取組みを強化して知的財産大国として飛躍する礎を築きたいと思います。」

キム・ホウォン特許庁長が新年を迎え、知財大国の実現に向けた青写真を提示した。キム庁長は、11日、スマート社会研究会の主宰で開かれた「指導者フォーラム」において、「今年、知財分野のスター企業を選定し、税制優遇策から資金の支援までを政策的に管理していきたい」と強調した。

キム・庁長は、昨年5月に特許庁に赴任し、特有の真面目さと溢れる政策アイデアで短い間に知財の大衆化と産業活性化に大きく貢献し、「韓国知財の伝道師」と呼ばれている。「サムスン電子とアップルのグローバル訴訟によって一般国民をはじめ、産業界にも「特許は大事だ」という認識がしっかり根付いたと思います。これからは、総論ではなく細部の方法論が必要となります。知財分野のスター企業を選定すれば、後発企業がそれをベンチマークし、自然と知財の好循環する環境が構築されるでしょう。」

キム庁長は、韓国の知財水準について規模は世界上位だが、内容では大きく差が出ている。結局、企業を中心に中身を充実させていくことが大事だと背景を説明した。「韓国は、2011年ベースで特許出願件数世界4位、特許生産性1位、標準特許6位と、先進国に比べても劣っていません。ただし、その中身をのぞいてみると、物足りないところが多いと言わざるをえません。標準特許では、サムスン・LG・ハイニックスなどの上位4社が99%を占めていて、技術貿易収支の赤字も雪だるま式に嵩っています。中小企業と大手企業、地方と首都圏の知財競争力の格差も深刻です。」

キム庁長は、知的財産に関する韓国の認識の全体的な水準は上がったものの、まだ米国や日本に比べたら低いと付け加えた。

解決方法は結局、草の根企業、すなわち中小企業の競争力を強化することだけだと強調した。韓国特許庁は、そのためにスター企業の選定だけでなく、預託決済院に猶保している500億ウォンの政策資金も中小企業に投じる計画だ。「特許庁全体の予算4300億ウォンのうち、事業予算はおおむね2500億ウォンです。特許収入のうち、500億ウォン程度は、預託院に猶保金として預けてはいます。それを中小企業に支援する案として推進していますが、苦しんでいる中小企業を支援し、知財競争力を高めることに大きく貢献するでしょう。」

「知財の才能寄付」事業もさらに拡大する。韓国特許庁は、昨年に大田市で特許専門家・コンサルタント・デザイナーなどを中心に知財の才能を寄付してもらい、相当の成果を上げた。「専門家が無料で中小企業の知的財産分野を集中コンサルタントする形です。売上が増えると一部を基金として出願し、再び寄付する形で運営して好評を得ました。今年はさらに拡大していく計画です。」

キム庁長は、「今年は、グローバル景気低迷、特許管理会社の浮上、アンチダンピングの攻勢から特許中心の貿易紛争方法の変化に知財権の係争はさらに深刻化すると予想されている。」との見方を示し、「紛争の対応システムなど、様々な政策案を通じて知財行政のグローバルリーダシップを確保していきたい。」と力を込めた。

カン・ビョンジュン記者

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