知的財産ニュース 企業のブランド・デザインの権利獲得が容易になる

2013年9月10日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、6月25日に発表された「知識財産基盤の創造経済実現戦略」のフォローアップとして「商標・デザイン審査品質の向上推進戦略」を発表した。

第1に、企業のマーケティング活動を積極的に支援するため、企業が実際に使用しているか、使用を要望する商標が権利として積極的に保護されるよう、ポジティブ審査を行うこととする。
「K2」や「NH」、「LOCK&LOCK」、「エニーコール(Anycall)」などの良い商標は、簡単でありながら、ある程度商品の特徴を表す表現が多いが、これまで、韓国は、外国に比べ簡単であるか、性質表示的な商標は、厳しく審査し、企業が使用を求める良い商標を拒絶する場合が多くあった。
これからは、競合者間の公正な競争を妨げない商標は、直接的な性質表示と見なさず、積極的に登録し、特に、企業が実際に使用している商標は、簡単で性質表示的な商標であっても使用による識別性の要件を緩和し積極的に登録して、企業のブランド管理活動を積極的に支援していく構えである。

第2に、創意的なブランド及びデザイン開発を通じた企業の競争力強化に向け、模倣出願を防止し、創作性の審査を強化していくことにした。
会社が開発中にあるブランドを従業員が先に商標出願する場合など、信義則に違反した出願に対しては、拒絶できる根拠規定を設けて企業のブランド管理を支援する一方、「ポロロ」など有名キャラクターを模倣したデザインや、他人の独創的な商標、芸能人や番組の名称を模倣した商標は、正当な権利者の情報提供や異議申立てがなくても審査官が直権で調査し拒絶することとなる。
特に、商標ブローカなどが使用しない権利を乱用して零細商人に対し損害賠償や使用料を要求する事例が多く発生しているが、実際に使用しない商標では、損害賠償が要求できないよう、法の見直しを推進する。

第3に、出願人の利便性向上に向け、商標/デザイン制度の見直しを積極的に推進する。
現在、先登録商標と類似した商標は、すべて登録を拒絶しているが、企業の自由な意思を尊重する商標共存同意制度を導入し、商標が類似していても、実質的な競合関係がなく、先登録権者が共存同意をすれば、登録が可能になるよう制度の見直しを推進する一方、商標の見本やデザインの図面など、書類の作成が間違っている場合、出願人の補正が簡単にできるよう補正範囲を拡大する。また、商標の名称や商品類などにおける明確な誤記は、審査官が直権で修正することにより、出願人の手間を省き、デザイン登録が拒絶された場合にも、図面だけでなく、物品の名称などの出願書記載事項の補正で解消できる場合には、審判請求を行わず、再審査請求で迅速に登録が受けられるよう制度を見直していく。
※再審査請求時、登録に2月がかかるが、拒絶不服審判請求時には8月がかかる。

最後に、商標/デザインの審査品質を高めるため、審査基準と法令を全面的に見直し、企業のマーケティング活動の支援と権利の保護に向け世界で最も速い審査処理期間を達成するため2017年をめどに取り組んでいく考えである。

今年5月、23年ぶりにデザイン保護法が全部改正され、来年7月1日から施行する予定であるが、商標法も今年に全部改正を推進中にあり、商標・デザイン審査処理期間を2017年まで、商標は3月、デザインは5月以内に短縮する計画である。

商標法全部改正の推進計画

中長期の審査処理期間短縮計画

年度

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

商標

8.9月

7.9月

6.5月

5.0月

4.0月

3.0月

デザイン

8.8月

7.6月

6.5月

5.0月

5.0月

5.0月

さらに、創業希望者や自営業者・小商工人の知財権に対する認識を高めるため、独創的なブランド/デザインの開発及び管理を通じたマーケティング成功例を紹介するための地域巡回説明会を開催する計画である。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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