知的財産ニュース サムスンディスプレイ、LGD相手の仮処分を取下げ…和解

2013年2月12日
出所: 電子新聞

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サムスンディスプレイが昨年9月にLGディスプレイを相手に提起した有機発光ダイオード(OLED)技術侵害の仮処分申請を取り下げた。

仮処分申請は、両社の裁判沙汰の決定的なきっかけだった。サムスンが仮処分を取り消したことで、両社が繰り広げている5件の特許関連の訴訟が順次取り下げになると見込まれている。

サムスンディスプレイは、LGディスプレイを相手に提起した「OLED技術流出関連の記録及び、細部技術に対する使用差し止め仮処分申請」についての取消し申請書をソウル中央地方裁判所に提出したと12日に明らかにした。

水原(スウォン)地裁が昨年7月に技術流出の疑いでLGディスプレイの取締役、サムスンディスプレイの前・現職の研究員を起訴すると、サムスンディスプレイは侵害差し止め仮処分を申請した。21件の関連記録と18種の細部技術をLGディスプレイが直接使用、または第3社に公開する場合、1件当たり10億ウォンの支払いを求めるのが仮処分申請の要旨だった。

これに刺激されたLGディスプレイは、サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシー」シリーズが自社のOLED技術を侵害したとしてサムスンディスプレイとサムスン電子を相手に特許訴訟を提起した。

サムスンディスプレイは、特許無効訴訟で反撃を図った。LGディスプレイのAH-IPSが自社のLCD特許を侵害したと訴訟を提起した。

サムスンとLGは、その後も特許訴訟と生産差し止め仮処分の訴訟を交わし、事態は泥沼化してきた。その間に海外の競合会社は「反韓国」で技術力を高め、ディスプレイ首位の座を脅かした。

このように事態が業界全体に影響が及ぼすと、知識経済部が両社の誹謗中傷の仲裁に乗り出した。4日に知識経済部成長動力室のキム・ジェホン室長がサムスンディスプレイのキム・キナム社長とLGディスプレイのハン・サンボム社長と会い、「円満な解決」の合意を求めた。

両社の首長が交渉テーブルに座った8日後にサムスンが先に和解の手を伸ばした。これまでLGディスプレイは、サムスンが先に仮処分申請を取り消すべきだと主張しただけに、LGが提起した他の訴訟も相次いで取り消されると見込まれている。両社が提起した訴訟は、サムスンの仮処分申請を含めて計6件だ。

サムスンディスプレイ関係者は、「4日、会場で段階的に問題を解決していくと約束したことの対策だ。今後も円満な解決に向けて交渉を続ける」と述べた。

一方、LGディスプレイの関係者は、「サムスンの仮処分申請取消しを歓迎し、12日まで会社が旧正月の連休などがあるため、近いうちに立場をまとめる」とコメントした。

ムン・ボキョン記者

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