知的財産ニュース 韓国特許庁、「特許情報振興センターを大田に移せ」

2013年7月11日
出所: 電子新聞

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670人の職員をかかえる大型の傘下機関…業務効率性の最大化が目的

韓国最多の特許専門担当者を保有している特許情報院の傘下機関「特許情報振興センター」の大田移転を韓国特許庁が推進しているという。

11日、韓国特許庁によると、最近、特許審査業務の効率性向上を図るため、密接な関係にある特許情報振興センター(以下センター)に対し、機関の移転などを含めた事業効率化案を準備するよう勧告したという。

センターの移転は、大田市が中心となって、特許情報院の誘致に乗り出して失敗した。その約7年ぶりに、韓国特許庁が再検討しているため、その成り行きに注目が集まっている。

ソウル東橋洞に所在している特許情報振興センターは、母体となる特許情報院の中心機関として、2011年付設機関に独立した。機関予算規模が年間500億ウォンに達しており、職員規模(非正規職を含む)も約670人をかかえる大型機関だ。

韓国特許庁の傘下機関中では、その規模が最も大きいうえ、韓国最多の特許専門担当者を保有している機関だ。韓国特許庁の先行技術調査業務を支援すると同時に、特許情報調査・分析・評価・コンサルタントなど多様な特許情報サービスを民間に提供している。

大田市は、2006年に「特許都市 大田」をかかげ、誘致委員会まで立ち上げて現在の特許情報振興センターの機能を担当していた特許情報院を誘致しようとしたが、特許情報院の構成員の反対により、移転誘致に失敗した。ところが、今回は、韓国特許庁が積極的にこの問題に取組み、関心が寄せられている。

韓国特許庁は、「センター業務の大半が庁と直接関係しているうえ、隣接していたほうが業務の効率性を最大化できる」と移転勧告の背景を説明した。

特許審査の前段階として、主に先行調査を行っているセンターは、業務の性格上、特許庁の審査官と調査員の間で定期的な面談が必要だが、現在は、地理的に離れていて時間的、空間的な制約を克服できていないという声が上がっている。

先行技術調査は、特許審査の品質に大きな影響を与えるだけに、審査官と調査員間の緊密なコミュニケーションのバックアップが必要となる。韓国特許庁は、Eメールやオンラインを通じて、不足したコミュニケーションを補完しているはいるが、あまり役に立てずにいるという。

こうした問題を認識し、事業効率化案についてキム・ヨンミン庁長本人が直接手がけているという。

韓国特許庁の関係者は、「センターがソウルにあるため、審査官と調査員の間で円滑なコミュニケーションが行われにくくなっている。特許審査業務の効率性を高めるため、機関の移転などを含めた事業効率化案を検討するよう求めた」と説明した。

だが、移転の推進は、開始からぎくしゃくしているように見える。

特許情報振興センターは、「庁から公式な指針を受けていない」とし、及び腰だ。 本庁の移転勧告指針については「知らない」で一貫している。

特許情報振興センター戦略企画本部のチュ・イルテック部長は、「機関移転の問題は、決して容易なことではない。いい加減な言い方では困る。公式に移転問題が議論されれば、その時になって、内部的に議論に入るだろう」と話した。

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