知的財産ニュース QRコードが多方面で特許出願が活発

2013年8月1日
出所: 韓国特許庁

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スマートフォンの普及とともにQRコードも生活の様々な場面で利用され、関連の特許出願も急増している。

韓国特許庁によると、QRコードの特許出願件数は、最近の5年間着実に増加しているという。特に、2008年には3件にすぎなかったのが2012年402件に急激に増え、年平均3.40倍の伸び率を示した。

実際に、QRコードは、その利用幅が非常に広い。夏休みを例にしても、QRコードは使える。雑誌で見つけたペンションもそのページに載せられたQRコードを読み込んで予約することができる。また、各文化財の案内板にあるQRコードを読み込ませるだけで関連情報の説明をはじめ、関連動画を各言語で楽しめる。もはや、QRコード一つで「撮って、見て、楽しむ」時代だといえる。

かつてのQRコード出願は、リンクされたアドレスを入力して大容量の動画や音楽を提供する情報提供か、コードそのもののセキュリティを活用した決済・認証分野に限られていた。

だが、最近では、その範囲が広がり、物品などにも取り付けられてその生産流通などを全体的に管理する物品管理分野をはじめ、位置情報を提供する位置案内分野、コードを読み込んで保存されている特定の制御動作を行う制御分野にいたるまで、さまざまな場面で利用されている。

有効な技術としては、温度センサーと融合されて血液保管の管理を強化したQRコードが貼られた「血液パック」、スタンプの形で製作され、スタンプを押すようにQRコードを製作・配布できる「QRコードスタンプ」、墓碑などに取り付けられ、故人との思い出などを映像で提供するQRコードを利用した追慕サイトなどがある。

韓国特許庁の関係者は、「QRコードは単純にバーコードを代替する物品管理に限られず、さまざまなセンサー技術と融合して多くの分野で利用されるだろう。関連特許出願も増加すると見込まれている」という見方を示した。

1. 年度別におけるQRコード出願の全体件数

図:年度別におけるQRコード出願の全体件数グラフ

2. 年度別における技術分野別の出願現状

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

合計

応用

情報提供

0

2

43

128

142

315

決済/認証

0

1

25

79

108

213

物品管理

0

1

18

50

62

131

位置案内

1

0

5

23

21

50

制御

1

0

7

26

14

48

文書管理

0

0

3

18

11

32

その他

0

0

8

31

14

53

基本

QRコード部

0

1

9

19

22

51

コード認識設備

0

0

5

6

4

15

コード生成方法

1

0

3

13

4

21

合計

3

5

126

393

402

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