知的財産ニュース 脆弱な中小企業を無差別攻撃!
2013年5月7日
出所: 電子新聞
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米国に進出した韓国の中堅・中小企業が特許管理会社の「獲物」にされている。特許管理会社は、中堅・中小企業が保有している知的財産権を対象に訴訟を提訴する事例が増えている。
韓国企業が新たな餌食として注目されているのだ。紛争対応力が不足している中堅・中小企業の知財権保護が急がれている。
「廣開土研究所」特許事務所は、6日、「成長している韓国の中堅・中小企業や、米国に進出を計画している企業を対象に特許管理会社の攻撃が急増している。サムスンやLGなどの大手企業だけでなく、中堅・中小企業も特許紛争を回避できない状態だ」とコメントした。
同特許事務所によると、最近5年間韓国の中堅・中小企業が米国に登録した特許のうち、特許管理会社の訴訟の対象となったのは19件だ。そのうち半分以上(11件)が昨年と年初に提訴された。カン・ミンス代表弁理士は、「最近の特許管理会社の攻撃が中堅・中小企業に拡大している。技術競争力を持った韓国企業の米国市場進出や市場拡大にネックになりかねない」と懸念を示した。
韓国の中堅・中小企業が攻撃の的になっているのは、ライセンス契約などを結んで紛争をまとめようとする傾向が強いためだというのが専門家の分析だ。
韓国知識財産保護協会の関係者は、「大手企業は、紛争に対抗する能力があるため、訴訟で対抗する傾向がある。しかし、中小企業は、市場参入をあきらめるか、ライセンス交渉を持ちかけてくる」と説明した。知識財産保護協会が調査した資料によると、売上高10億ウォン未満のICT企業も特許紛争に悩まされており、半分以上が特許管理会社による裁判だということが確認された。
韓国電子情報通信産業振興会特許支援センターのイム・ホギセンター長は、「電子・ICT分野の中小企業には、訴訟費用や、特許担当部署・人材に投入できる予算が不足している。特許紛争にもまれている中堅・中小企業の支援が切実に求められている状況だ」と説明した。
特許支援センターによると、売上高300億ウォン未満の中堅・中小企業のうち、18.5%が特許専門人材を雇用しており、残りの約80%の企業は紛争に適切に対応しきれていない。
訴訟提起の年度 |
中堅・中小企業を対象にしたNPEの訴訟件数 |
---|---|
2008 |
1 |
2009 |
2 |
2010 |
2 |
2011 |
3 |
2012 |
9 |
2013(第1四半期) |
2 |
合計 |
19 |
クォン・ドンジュン記者
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