知的財産ニュース 携帯電話カメラ映像センサー特許技術 日韓戦が激しい

2013年6月3日
出所: 韓国特許庁

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スマートフォンの普及に伴い、バックサイドカメラ(BSI, Back Side Illumination)映像センサー(CMOSイメージセンサ)をめぐる日韓両国のメーカーが技術開発でしのぎを削っている。

韓国特許庁によると、BSI映像センサーの特許出願は、2003年までは7件にすぎなかったが、2008年からは毎年40~50件に増加したという。

出願人の国籍別では、日本が53%、韓国が37%と大半を占めており、出願人別では、ソニー(83件)、サムスン電子(35件)、ドンブハイテック(35件)、ハママツ(11件)、サムコ(10件)の順となっている。

2006年までもBSI映像センサーは、日本が韓国に出願する場合が多かったが、2008~2009年度からは韓国も同分野に関心を持ち始め、技術開発を本格化した結果、日本より出願件数が多い年もある。

従来の映像センサーは、基盤の上部に配線をかけず、基盤の後ろ面を通じて光を直接受け入れたため、配線による光の乱反射が少なく、画像当たりの光の吸収率を高められる。そのため、高画質のスマートフォンに適切な技術として高く評価されている。BSI映像センサーが搭載されたカメラは、特に室内やうす暗い場所、逆光の状況で写真を撮る時、優れた画質を誇る。

最近では、基盤を最薄にするか、内部の光ノイズを防止してセンサーの感度を高める技術の出願が注目されている。日本市場調査会社TSRによると、2014年の携帯電話向けカメラ映像センサーの約50%をBSI映像センサー技術が占めると予想(出処:ヤン・ジョンソク、「SKハイニックス、CIS市場攻略を強化…BSI搭載した800万画素商品を開発」、電子新聞、2012年10月18日)されているだけに、今後の技術競争はさらに激しくなる見通しだ。

韓国特許庁の関係者は、「BSI映像センサーの市場規模が拡大し、日韓間の市場シェア確保競争もさらに激しくなると予想されている。韓国企業も持続的な技術投資を通じて競争力を国際的な水準に高めなければならない」と述べた。

資料:BSIカメラ映像センサー分野の年度別における特許出願件数

図:BSIカメラ映像センサー分野の年度別における特許出願件数グラフ

資料:BSIカメラ映像センサー分野の国籍別特許出願の分布

図:BSIカメラ映像センサー分野の国籍別特許出願の分布グラフ

資料:BSIカメラ映像センサー分野の多出願人

図:BSIカメラ映像センサー分野の多出願人グラフ

資料:CIS市場の規模(2012年)

表:今年度のCIS市場シェアの見通し

2012年 サムスン電子が数量ベースでは27%を占め(首位)ているが、売上高では、ソニーが1位
SKハイニックスは、シリコンファイル(設計会社)と提携して下半期からBSI技術と融合させた商品の量産を予定

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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