知的財産ニュース サービス標から分析した韓国経済

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自営業は、商店・食堂が多い

自営業が主となっているアパレール、コスメティックなどの卸・小売業、飲食・宿泊業、塾(学習塾)や娯楽分野のサービス分野におけるサービス標出願がこの2年間、著しく増加している。

韓国特許庁が最近10年間(2003～2012年)のサービス標出願統計を分析した結果、サービス標の業種別の平均出願割合は、卸・小売業が22%、飲食・宿泊業が20%、そして教育・芸能娯楽分野が16%と、サービス標出願の58.9%を占めており、特に6.3%の経済成長率となった2010年度に比べ、それぞれ3.6%(2011)、2%(2012)の低い経済成長率となったこの2年間では、なんと66%という著しい伸び率を示した。

こうした増加は、小規模の資本でも参入が可能な分野として、経済成長の鈍化にともなって職を失ったか、職を得られない未就業者、定年退職を迎えたベビーブーム世代などが創業しやすく、私教育費の増加に伴う塾(学習塾)の増加、コンピューターゲームや大衆文化関連産業、商品の流通産業の発展が背景にあると分析されている。

一方、巨額の資本と高い技術力が求められる金融業、建設業、商品加工業などは、2008年をピークに減少に転じた。政府の認可が厳しく、専門的な技術力が求められ、参入が難しい放送・通信業、デザイン、ソフトウェア、研究開発分野の出願は、足踏み状態にある。

サービス標の出願率が最も低い分野は、法務及びセキュリティサービス分野だが、最近10年間の平均出願率が2.5%に過ぎない。

こうした低い出願率は、韓国の法務サービス供給が需要に追い付かないという現実と、セキュリティーに対する認識がまだ普及していないことが反映されているが、法務サービス分野の出願は、今後、法律市場の開放と専門法曹人の増加などに後押しされ、増加が見込まれている。

また、サービス標出願は、年平均約5万件と、全体商標出願で占める割合が30%だ。こうしたサービス標の出願割合は、サービス業がGDPで占める割合が年平均58%であることを踏まえれば、商標出願に比べて低迷しており、サービス標の必要性についての業界の理解は不足していることを示している。

韓国特許庁サービス標審査課のイ・ビョンテク課長は、「経済を読む指標は様々だが、商標の出願動向も意味のある指標になりうる。業界のサービス標に対する認識構造への取り組み、審査処理期間の短縮などを通じて、サービス標出願が活発に行われる環境を積極的に構築していきたい」と述べた。

資料1：年度別の経済成長率とサービス業成長率の動き

資料2：商標出現率とサービス業の出願率の動き

資料3：GDPに占めるサービス業及び製造業の割合

資料4：業種別のサービス業出願現の動き