知的財産ニュース 化学業界 電子素材の割合を拡大中

2013年9月2日
出所: デジタルタイムズ

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韓国の主な化学メーカーが新成長エンジンとして電子素材事業の割合を拡大している。

最終商品中心の製造業が成熟段階に至り、その基盤となる素材産業の競争力が重要になっている模様だ。素材産業は、家電などのB2C製造業に比べ、大規模の投資をともなうなど、市場参入は難しいが、いったん技術力を確保しておけば、特許使用料などの長期的な収益基盤の確保手段となる。

そのため、グループレベルで化学系列会社の地位が一層高まっている雰囲気だ。

1日、関連業界によると、主な化学メーカーは、最近の景気低迷にもかかわらず、電子素材の部門で良い成績をあげ、実績は回復基調を示している。

LG化学は、3D FPR(Film Patterned Retarder)、ITOフィルムなど高付加価値の製品販売を拡大し全体の営業利益における23.7%を情報電子素材部門であげた。

売上高は、全体の10.4%にすぎないが、収益性では、他の事業部門より高くなっている。

LG化学は、2010年、世界で初めて開発に成功し、現在85%以上のシェアを占め、グローバル独寡占体制を固めた3D FPRフィルムとともに、これまでは日本企業が首位を堅持してきたLCDガラス基板、ITOフィルムなどの開発・量産に成功し、毎年、売上における割合と営業利益を高めている。

第一毛織もサムスングループが電子素材産業の育成に本腰を入れるにつれ、グループの未来を準備するコア系列社として地位が高まっている。

2004年までは、全体の6.4%(1592億ウォン)にすぎなかった電子材料部門の売上高は、2005年8.3%に続き、2006年10%を超え著しい成長を続けている。

第2四半期では、全体の営業利益の3分の2を電子材料部門で収めた。

OLED(有機発光ダイオード)、電子輸送層(ETL・Electron Transport Layer)などの半導体・ディスプレイ素材が後押しした。さらに、サムスン電子とともにドイツのOLEDオリジナル技術を保有しているNovaled社を買収して経営権を獲得するなど、一層の競争力強化を図っている。最近、グループレベルで電子素材研究所が本格スタートし、グループにおける第一毛織の役割はさらに拡大すると考えられる。

SKグループの主力企業とされるSKイノベーションは、FPCB(軟性回路基板)のコア素材とされるFCCL(軟性銅箔基板)の増設に入り、電気自動車向け2次電池のバッテリー事業のためグローバル自動車部品メーカーコンティネンタル社と合弁会社を設立するなど、新成長エンジンという意味で電子素材事業の育成に本腰を入れている。

ハンファグループのハンファL&Cもかつての主力商品だった建設資材の割合を減らし、最近ではタッチスクリーンパネル(TSP)コア素材の一つであるITO(酸化インジウム)フィルムの量産を始めるなど、電子素材の売り上げの割合を60%以上に増やしている。

パク・ジョンイル記者

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