知的財産ニュース 「通信キャリアも特許紛争の当事者」

2013年7月10日
出所: 電子新聞

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特許係争が製造会社に限られず、通信キャリアも主要な当事者であるという指摘が提起された。通信キャリアが伝統的サービスから脱して事業の多角化を図っており、通信キャリアの事業が紛争領域にまで拡大しているからだ。 KT経済経営研究所は、「通信キャリアも特許戦略が必要な時代だ」という報告書において、このような内容を主張した。

報告書では、携帯電話を利用した電子メールに関する多数の特許を所有した、いわゆる「パテント・トロール」で呼ばれるNTPを事例としてあげながら、通信サービスが進化するほど、そこに利用される技術を通信キャリアがどれほど特許の形で先取りしているかが企業の競争力を左右すると分析した。

NTPは、携帯電話を利用した電子メールに関する特許に基づき、ベライゾンをはじめ、スプリント、T-モバイル、AT&Tモバイルなど、米国の通信キャリアに訴訟を提起、巨額の和解金を受け取った。テレビ視聴中に、他のチャンネルを録画できる技術を保有したティボ社は、通信キャリアはもちろん、ケーブルテレビ事業者などが類似の録画サービスを提供すると、特許を侵害したとしAT&Tやベライゾンなどを相手に訴訟を提起した。 AT&Tは、2150万ドル、ベライゾンは、2億5040万ドルをそれぞれ支払った。

一方、通信キャリアが勝訴しても被害は残る。韓国のキャリア3社は、中小企業が提起した特許侵害訴訟に共同対応し、該当特許を無効化させた事例がある。 5年で終結した訴訟において3社は、多くの時間と人材、費用を消耗したほか、「中小企業に対する大企業の横暴だ」という非難世論も甘受しなければならなかった。報告書は、「通信キャリアは、すでに特許紛争の主な当事者になっており、特許訴訟に巻き込まれれば、訴訟の結果と関係なく、様々な被害をこうむることになるため、特許紛争の脅威に効果的に対処する方法を模索する必要がある」と主張した。

通信キャリアの特許戦略として、特許の重要性の認識と、特許確保のための大胆な研究開発(R&D)投資、通信標準特許の確保、戦略的な分野でコア特許の確保などを提示した。 報告書は、「特許として認められる技術を積極的に開発し、これを先取りすることが最も基本であって、根本的な特許戦略になるほかはない。R&D投資が先行しなければならない」とアドバイスした。

標準化機構が定めた標準技術を具現化する過程で必須に使われる特許、回避設計が不可能な「標準特許」の重要性も強調した。クアルコムは、標準特許で成功した代表的な会社だ。 クアルコムは、強力なCDMA標準特許に基づき、CDMAチップ市場を独占する一方、CDMA特許ロイヤリティーで巨額の収益を上げている。報告書は、「特許紛争は、一度巻き込まれてしまうと、会社の存続をかけるほどにその規模が大きく、回数も頻繁になっている。効率的な特許戦略は、特許紛争の脅威から脱せられることはもちろん、特許を利用した競争力強化にもつながる」と説明した。

キム・ウォンベ記者

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