知的財産ニュース LED、放熱基板で熱対策

2013年8月28日
出所: 韓国特許庁

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LED照明用の放熱プリント回路基板に関する特許が増加している。

原電稼動中止と暑さのため電力危機が高潮している中、節電製品であるLED照明が注目をあびている。また、LED照明の効率を高めるために使用される放熱プリント回路基板(PCB, Printed Circuit Board)1) の特許出願も増加している。

LED照明は、他の照明に比べ電力の消費が少なく、環境に優しい2)。放熱PCBは、LED照明の主要部品で、発生する熱を効果的に送り出しLED照明の寿命と効率を高める機能をする。3)

特許庁によると、LED照明用の放熱PCBに関する特許出願件数は、2008年以降から順調に増加している。特に、2008年は19件にすぎなかったのが、2009年からは毎年38~55件前後に増加し、2008年に比べ100~189%の増加を見せている。(添付1)
実際に、放熱に伴うLED照明の寿命及び効率増加の効果は高い。LED照明の研究事例4) によると、「LED照明の温度が約10度低くなる場合、予想寿命は約57%、効率は約14%増加する」という。
最近、出願されている放熱PCB技術は、単純に熱がよく伝達される材料を選択していた方式からLED照明の構造を改善する方式へと発展している。出願量においても、プリント回路基板の放熱ホール、リードプライム、積層方式などの構造や形象改善技術が67%でほとんど占め、セラミック、金属、ナノ素子などの新素材が31%を占めている。(添付2)

2008年以降の特許出願人別の割合を調べてみると、個人を含む韓国国内の中小企業が全体出願の59%を占め、技術開発を積極的に行っていることが分かる。(添付3)

特許庁の関係者によると、「LED照明が広く普及されるほど、これに使用される放熱プリント回路基板の使用に関連する技術開発と特許出願は継続する」と見通した。


注記

1) 放熱プリント回路基板(放熱PBC、放熱Printed Circuit Board)は、LEDのような多くの熱を発生する電子素子の熱を効果的に放出するためにつくられた電気的部品などがはんだ付けした薄い板である。
2) LED照明は、他の照明に比べ水銀などの有害物資がなく、紫外線やCO2排出が少ないため環境に優しい。
3) LED照明は、半導体素子であるLEDに電流を流すと光が生産される構造となっているので、エネルギーの中で熱として放出される割合が50%から80%で相対的に高く熱をどれだけうまく放出するかが寿命と効率向上に影響する。
4) ABCS of LED Thermal Management、予想寿命は光速維持(lumen maintenance)が70%である場合が基準であり、効率(光出力)の比較基準は約10,000時間使用基準である。

添付1:LED照明放熱プリント回路基板に関する特許出願動向グラフ、添付2:LED照明放熱プリント回路基板に関する特許出願技術動向グラフ

添付3:LED照明放熱プリント回路基板に関する出願人別の特許出願動向グラフ、添付4:LED照明と放熱技術図解

LED照明の動作原理は、半導体素子であるLEDに電流を流すと光が生産される構造となっているため、このようなLED照明のエネルギー変換の割合は通常的に光と放射エネルギーを除外した熱が50%から80%であり、従ってエネルギーの中で熱として放出される割合は相対的に高い。そのため、LED照明の内部で発生する熱を外部にどれほどうまく放出させるかがLED照明の寿命と効率向上に重要な変数となる。

また,LED照明は、LEDチップの上段で光を放出し、チップの下の方面に熱を伝達するため、ほとんどのLED 照明の放熱技術らはLEDチップの下段部分を改善する方式で成り立っており、大きく分けるとLEDチップ/パッケージ、プリント回路基板、追加的な構造を付加するシステムレベルに区分できる。このうち、照明用のプリント回路基板レベルの主な技術には、プリント回路基板の放熱ホールなどの構造を改善したり、熱伝導特性がよいメタルやセラミックの材料をプリント回路基板に適用する方式が主に使用されている。

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