知的財産ニュース 米国庁料金引き上げ後、登録放棄が急増

2013年1月21日
出所: 電子新聞

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5%以下だった中小企業の米国特許の放棄率が20%に急増した。景気悪化の影響もあるが、米国特許庁が相次いで特許庁料金(年次料)を大幅引き上げたことが響いた。米国では、年内に50%の追加引き上げが進められる予定で、中小企業の米国特許の放棄が続出するのではないかと懸念されている。

21日、特許管理サービス会社マクプログローバルによると、2011年1%(上半期)と3%(下半期)にすぎなかった特許の放棄率が昨年の上半期16%、下半期20%に増加した。マイクログローバルは代表的な特許庁料金の管理会社だ。

米国特許庁は、2011年10月と昨年10月にそれぞれ15%と2%に庁料金を引き上げた。登録後初めて納付する庁料金納付時点である3.5年ベースに980ドルだった庁料金は、昨年下半期に1150ドルに引き上げられた。今年に50%が追加引き上げられれば、1700ドル台になる。引き上げの背景は、オバマ政権が知的財産を強調し提案された高品質の特許サービス提供の一環だという。大手企業や政府系研究機関などを含めた米国特許の放棄率も2011年上半期の1%から昨年には10%に増加した。

庁料金の負担は、中小企業の特許放棄の主な原因になっている。マクプロのチェ・キュスン課長は、「米国特許の維持費用の負担が重すぎるという話をよく聞かれる」と述べた。P&IBのキム・キルへ代表は、「韓国でもない米国特許を放棄するということは、経済的な要因が大きいといえる。今年5月に庁料金をまた50%も引き上げれば、多くの企業には負担になるはず」と懸念を示した。あるベンチャ企業の代表は、「特許で直ちに収益が得られていれば、何万ドルでも庁料金を支払えるが、実際はそうでもない。収益が得られるまで長くは10年を見据えておくべきだが、その負担が非常に重い」と語り、政府が長期的な海外の出願料と庁料金を支援するべきだと要請した。

しかし、政府も積極的に乗り出すことが難しい状況だ。庁料金を支援すると、企業は放棄すべき特許まで維持しなければならない悪循環が生じかねないためだ。韓国特許庁登録課のキム・ホンヨン課長は、「海外の出願・登録段階で部分的な支援は可能だが、変動しやすい海外の庁料金を政府が支援することは難しい」と説明している。海外特許の手数料納付費用の削減案もまだ具体的に検討されていない。

専門家は、米国特許は出願から維持まで相当の費用負担が発生するだけに、企業が選別できる適切な評価システムの構築を提案する。インテレクチュアル・ディスカバリーのコ・チュンゴン副社長は、「大手企業も毎年評価を受け、一部の特許を諦めているが、このシステムを中小企業が採用するのは容易ではない。政府は、中小企業が自力で選別できるよう、評価部分の支援を強化する必要がある」と強調した。

キム・ジュンベ記者、クォン・ドンジュン記者

中小企業の米国特許法規律の動き(単位:%)

区分

放棄率

2011年上半期

1

2011年下半期

3

2012年上半期

16

2012年下半期

30

※資料:マクプログローバル(管理の中小企業特許基準)

米国特許の年次料引き上げ率の動き(単位:ドル)

年次

変更前

2011年10月引き上げ(15%)後

昨年10月引き上げ(2%)後

3.5年

980

1130

1150

7.5年

2480

2850

2900

11.5年

4110

4730

4810

※資料:マクプログローバル(今年5月頃に50%を追加引き上げ予定)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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