知的財産ニュース 米国貿易委員会、「サムスン-アップルの特許訴訟」再審議

2013年1月24日
出所: 電子新聞

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米国国際貿易委員会(ITC)の予備判定が再審決定となり、サムスン電子の米国内の携帯電話販売禁止の危機が免れた。しかし、最終判決においてサムスンがアップル特許を侵害したという予備判定をひっくり返すことができるのかは不透明だ。ITC予備判定が最終判定においてひっくり返される事例はほとんどないからだ。

サムスン電子は、再審の過程で特許を侵害してないという新たな証拠を提示しなければならない。予備判定再審の決定まで下し慎重モードに変わったITCに対し、多角的な説得戦略が必要だという指摘だ。

ITC検討開始

ITCは、専門知識を持つ行政判事が下した予備判定を、通常は最終判定まで持っていく。

サムスン電子とアップルの件は、世界的に関心が集中し、最終判定に対する論争を避けるため、再審議の決定を下したものと分析される。サムスン電子が侵害したとしてITCが認めたアップル「ヒューリスティック」特許などが、米国特許庁において無効判定が出るなど、予備判定当時と状況が変わったことも再審の決定に影響を及ぼした。

米国知的財産権コンサルタント専門企業のテクアイピエムの李・グンホ代表は、「ITCが再審議したいということ自体が重大な案件であることを示す。専門家である行政裁判官が下した予備判定に対し再度審議を行う最終判定においてミスがないことを見せるための政策的な決定」であると説明した。

サムスン電子、予備判定をひっくり返せるのか。

ITCは、昨年10月にサムスン電子は、アップル側が保有しているスマートフォンとスマートパッド関連の商用特許とデザイン特許4件を侵害したと判定した。サムスン電子は即再審の要請を行った。当時アップル特許を侵害したとして予備判定を受けた製品は、ギャラクシーSと、ギャラクシーS2、ギャラクシーネクサスなどスマートフォンとギャラクシーTabなどだ。

再審決定によりサムスン電子は、予備判定をひっくり返す余地を持つことになり、最終判定まで時間を稼いだ。今後、販売禁止判定が確定されても携帯電話の在庫消尽により被害は最小化できる見通しだ。

専門家らは、サムスン電子が再審の過程で、アップル特許を侵害してないという新たな証拠を提出できる機会を得たと分析した。また、ソフトウェア(SW)特許を制限しようとする米国内部の雰囲気もサムスン電子には好材料となった。イ・グンホ代表は、「サムスン電子は再審議により最終判定が遅れ、事業的決定を下す時間をさらに確保できた。再審議は、アップルよりサムスン電子に有利なものになる」と予測した。サムスン電子側は「ITCの最終決定において当社の主張を認めてもらえるはずだと確信している」と公式の立場を明らかにした。

金・インスン記者

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