知的財産ニュース 電子IT、融合分野で特許紛争も急増

2013年6月17日
出所: 電子新聞

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国際特許紛争10件のうち、7件は、電子・ICT分野で発生していることが分かった。ITとの融合が強調され、特許紛争の可能性も高まったという分析だ。自動車・造船・設備産業など、IT融合分野も特許紛争に備えるべきだという声が高まっている。


韓国特許庁、韓国知識財産保護協会

韓国知識財産保護業界が発表した「国際知的財産紛争イシュー報告書」によると、今年の第1四半期における情報通信・電機電子・設備産業の国際特許紛争は、前年比350%を超える増加率を示した。全体2616件のうち、72%が電機・ICT・関連設備技術分野だった。

専門家は、これまでは、電機・ICT技術がスマートフォンやスマートテレビなど、代表的なIT機器が訴訟の対象とされてきたが、徐々に自動車・造船・設備産業など、様々な分野にその範囲が広がり、特許紛争もともに増加したと分析した。韓国電子情報通信産業振興会の特許支援センターイム・ホギセンター長は、「電子・ITとの融合・複合が活発に行われている自動車・航空宇宙・造船・繊維など、特許係争は全方位に広がっている。ソフトウェア・センサー・半導体技術は、大半の産業に適用される技術であるだけに、全ての産業において特許係争に備えなければならない」と述べた。

韓国電子通信研究院(ETRI)によると、世界のIT融合市場は、2010年1兆2000億ドルから2020年3兆6000億ドルに3倍以上も成長するという。融合IT市場が活性化すれば、古くなった技術の特許を保有している特許管理会社が収益を上げるため、他の産業分野にも目を付けていることが紛争拡大の原因として指摘された。

電子・ICTで技術力を確保している韓国が主な的となっている。知財保護協会によると、「第1四半期における特許管理会社との紛争のうち、移動通信・コンピューター・デジタル通信技術が中心となっていた。自動車産業は、2万個以上の部品が先端化・電子化が行われたため、主な攻撃対象となっているのだ」という。代表的な例として起亜自動車は、第1四半期だけで、米国の特許管理会社に12件の特許侵害訴訟を提起された。

キョンウン国際特許法律事務所のチョン・ジョンハク代表弁理士は、「電機・ICT分野の技術は、グローバル化が進められ、国際的にも競争が激しい。一つの製品に多くの融合・複合技術が含まれる可能性もあるため、大手企業だけでなく、中小・ベンチャー企業も容易に特許の確保ができるから、紛争の可能性も高まってしまう」と説明した。

クォン・ドンジュン記者

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