知的財産ニュース 増え続ける非正規審査官、「特許品質が落ちる」

2013年10月15日
出所: 電子新聞

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知的財産創出において初の関門となる特許審査官が不足している。海外の先進特許庁は、特許審査人員を大幅拡充しているが、韓国は非正規職を量産するばかりだ。特許審査機関の短縮と競争力を備えた特許を創出するため、審査官雇用の政策を見直すべきだという指摘が出ている。

最近、一般職の公務員審査官の人員は、足踏み状態だが、契約職の審査官は、増加していることが14日に確認された。一般職審査官は、2010年693人から昨年、711人に小幅増加した。しかし、契約職の審査官は、2010年32人から、昨年102人と3倍以上増えた。これを国政監査で公開質疑するウ・ユングン議員は、「審査期間の短縮などを建前に組織を改変してはいるが、いざ必要な一般職審査官はあまり増えていない。窮余の策として非正規職雇用を増やし、審査の量を消化しているのが実状だ」と語った。

審査官は、特許・実用新案・商標・デザインなど、出願された産業財産権を審査し、登録の可否を決定する。海外では、良質の特許を確保するため、審査官を大幅増やしている。米国は、2010年6128人だった審査官を昨年には7831人に増やした。アル米国の特許弁護士は、「米国の改正発明法(AIA)の施行以来、特許庁の権限を強化している。特許審査関数も焼く3000人増やす見通しだ」と説明した。日本は、昨年まで特許審査官の数に大きな変動はない。韓国より非正規の審査関数が多くなっている。

しかし、知識財産研究院によれば、今年8月日本特許庁(JPO)は、「能力のある審査官を多数採用し、効果的な知財政策を推進する方針」を発表し、「来年から、正規審査官を採用するなど、着実に増員していく考え」を明らかにした。

韓国が審査官を増やそうとする理由は、審査官の数が特許品質と直結しているためだ。審査官が少ないと、一人当たりの処理件数が増え、選考技術調査や特許の新規・進歩性判断が損なわれかねない。業界の専門家は、「特許審査の質が劣れば、特許紛争のときに無効化につながる恐れが高くなる。韓国の特許無効化率は60%を超える高い水準だ」と説明した。

問題は、公務員の定員だ。特許庁の審査官は、特許法に基づき、5級以上の一般職公務員や、高級公務員に属する一般職の公務員のみが可能だ。特許庁には、機関で運用できる公務員の数が限られているため、自由に増やせないとの立場だ。特許庁の関係者は、「審査官の拡充に向けて産業通商資源部と安全行政部などと議論を続けているが、難しい問題だ。今年も20人の拡充にとどまった」と話した。また、「審査期間の短縮と特許品質の向上だけでなく、良質な雇用の創出のためにも喫緊の課題だ」と付け加えた。

クォン・ドンジュン記者

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