知的財産ニュース SKT 「次世代ビデオコーデック」グローバル特許プール構築を推進

2013年3月17日
出所: 電子新聞

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SKTが未来技術の特許確保に乗り出した。SKTがライセンス代行会社MPPEG LA(Lisence Administrator)とともに「次世代ビデオコーデック」の特許プール形成を推進中にあることが確認された。次世代ビデオコーデックは、スマートフォンとコンテンツ流通の活性化に伴い、急成長しているマルチメディア市場に欠かせない分野だ。

グローバル企業は、次世代ビデオコーデックに関する特許の確保に積極的で、韓国企業も関連特許の確保に向けた研究開発(R&D)に集中している。SKTのこうした動きは、従来のネットワークに続き、次世代の成長技術分野として特許競争力を拡大するためだと分析されている。SKはこれまで、LTEとWCDMA特許プールの結成を主導、保有特許を利用して安定的なロイヤルティ収益を確保してきた。同時に、独自で確保が難しい特許を安価で利用している。

SKTの関係者は、「次世代ビデオコーデックの特許プールを推進することは、従来の特許プールの成果と未来の技術特許確保の必要性など、多角的な背景からスタートした」と事業を紹介した。次世代ビデオコーデック特許に関連し、SKTは、2008年から韓国の大学と共同研究開発を行い、関連のコア特許を確保して約130件の国際特許を出願した。

ヘルスケア・B2Bソリューション、有線・無線IPTVを「第3世代の成長エンジン」として掲げたSKTは、「次世代ビデオコーデック」の特許プールで確保した特許を「有無線IPTV」事業に適用する予定だ。また、昨年には、次世代ビデオ圧縮技術のHEVC(High Efficiency Video Coding)のコア技術の開発も完了した。この技術は、動画の圧縮効率を高め、HDやウルトラHD(HD映像より4倍品質が高い)インターネット・モバイルネットワークを通じた伝送速度を2倍にまで高められる。

代表的なビデオコーデック特許MPEG-2デジタルビデオ圧縮技術のロイヤルティ規模が年間40億ドルであることを踏まえると、SKTが開発したHEVC技術の標準化が終われば、その後10年間数千億ウォンの特許ロイヤルティの収益が得られる。

一方、次世代ビデオコーデック以外にSKTは、MS、インテル、アップルなどのグローバル企業とWi-Fi特許プールの結成を推進しており、年内に特許プールの結成が一段落すると見込んでいる。

キム・ウォンベ記者

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