知的財産ニュース 次世代自動車の特許 サムスンとLGが寡占

2013年5月14日
出所: 電子新聞

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電気自動車やハイブリッドカーなど、電力基盤自動車の特許出願におけるサムスンとLGの割合が40%に迫るという。韓国のエコカー特許3件の1件はサムスンとLG系列の電子・素材会社が出願していることになる。韓国が次世代のエコカー市場をリードしていくためには、現代自動車とサムスン・LG間の密接な連携が必要だという声が出ている。

2000年から2010年まで、韓国に出願された電力基盤自動車関連特許のうち、サムスン・LG系列の企業が出願した特許は、計580件だ。他の韓国メーカーや内国人が出願した関連特許(1623件)のうち35.7%を占める。メーカー別では、LG化学が268件を出願し16.5%を占めている。その次にサムスンSDIが187件と11.5%を占めた。LG電子は81件(5%)、サムスン電子は44件(2.7%)の特許を出願した。

現代自動車は同期間中、803件(49.5%)を出願し半分近くを占めている。現代自動車とサムスン・LG系列の会社の割合を足すと85%を超え、韓国の完成車と電子・素材企業が電力基盤自動車の技術開発をリードしているということになる。

電力基盤の自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッドカー、プラグイン・ハイブリッドカー(PHEV)、水素燃料電池自動車を含める。特に、エンジン基盤ではなく、電気動力を基盤に駆動するエコカーが次世代自動車市場の成長エンジンとして注目されている。サムスン・LG系列会社は、モーターやバッテリーなどの部品開発に力を入れている。業界の関係者は、「2006年からの国際的な原油高により、韓国メーカーの特許出願が増加し始めた。我々が次世代エコカー市場で先行するためには、完成車と電機、素材メーカー間での協力が必要だ」と指摘した。

2010年の電力基盤自動車の特許出願は、2000年(262件)より3倍も増えた779件と史上最大となった。エンジン基盤自動車の特許出願は減少していることとは反対の動きだ。2000年3425件のエンジン基盤自動車の特許は、2010年2532件と26%減少した。

電力基盤自動車メーカー別の特許出願件数と割合
(資料:自動車部品研究院、出願期間:2000年~2010年)

区分

出願件数

割合(%)

現代自動車

803

49.5

LG化学

268

16.5

サムスンSDI

187

11.5

LG電子

81

5.0

サムスン電子

44

2.7

ETRI

32

2.0

KAIST

28

1.7

その他

180

11.1

ヤン・ジョンソク記者

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