知的財産ニュース サムスン 米特許合買取専門企業を設立

2013年5月23日
出所: デジタルタイムズ

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サムスンが3月、米国のワシントンで特許買い取りを専門とする「インテレクチュアル・キーストン・テクノロジー(Intellectual Keystone Technology、IKT)」を設立したことが分かった。アップルなどとの特許競争において対抗力を高め、特許管理会社の特許攻撃に対する対応力を高める特許経営強化がその目的だ。

23日、サムスンディスプリと金融監督院電子告示システムなどによると、サムスンディスプレイは、計2500万ドル(約277億500万ウォン)を投資、持ち分100%の子会社としてIKT(Intellectual Keystone Technology)を米国ワシントンDCに設立したという。

サムスンディスプレイは、サムスン電子の完全子会社として、特許技術を発掘し、その価値を算定して購入を行う目的で設立した。IKTは、設立直後の先月、日本のセイコーエプソンが保有していた特許のなかで、電気モジュールプロセス関連の特許を買収するなど、早くからコア技術特許の確保に本腰を入れている。セイコーエプソンは、プリンターやイメージング関連設備を製造するメーカーで、LCDやOLEDなどに関しても高い技術力を確保している。

今回の買収により、サムスンディスプレイは、特許の発掘からさらに一歩踏み出し、特許攻撃の防御における競争力を確保できるようになった。特許買収専門企業を設立し、特許の確保に乗り出したのは、2011年6月から始まったアップルとの特許訴訟など、IT企業との特許係争で勝訴を勝ち取るための取り組みだ。また、製品や技術の開発は行わず、他人の特許を買収してそれを武器にIT企業を圧迫する「インテレクチュア・ベンチャーズ(IV)」などのパテント・トロールに対抗できる力を増やす目的もあると分析されている。

一方、サムスンディスプレイの関係者は、「技術と特許の重要性がさらに高まっているなか、より優秀なコア技術特許を確保するため専門企業を設立したことと承知している。しかし、この取り組みがグループレベルで行われたものかは分からない」とコメントした。

イ・ホンソク記者

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