知的財産ニュース 職務発明補償制度の優秀企業認証制度を施行

2013年3月26日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、職務発明補償制度の運営が充実している中小・中堅企業に対し、認証書と、政府支援事業などに参加する際のインテンシブを与えるため、「職務発明補償制度運営の優秀企業認証制度」を4月1日から施行することを決めた。

「職務発明補償制度」とは、雇用契約に基づき、従業員が会社で勤務している間に職務上の開発を行った職務発明(特許、実用新案、デザインまで含める)を会社(使用者)が所有することとし、会社がその発明によって利益をあげた場合には、従業員の発明者に正当な補償を与える制度を意味する。

この分野で先行している海外企業は、発明した従業員に対して十分な補償を行っている。優秀でクリエイティブな技術を開発できるよう、従業員のモチベーションを上げるとともに、その知的財産権を有効に確保して企業の競争力強化につなげるため、同制度を積極的に取り入れているのだ。

しかし、韓国の場合、2012年、職務発明に当たる法人の特許出願は80.2%と、個人の発明に比べてその割合は突出して高いが、職務発明補償制度の導入率は、ドイツや日本などの先進国に比べると低い43.8%の水準にある。

そのため、韓国特許庁は、企業に職務発明補償制度を積極的に導入させ、開発された優秀な技術を知的財産として確保し、創造経済の実現につなげられる「職務発明補償の優秀企業認定制度」を施行することを決めた。

優秀企業の認証申請対象は、職務発明制度の補償規定を定めており、最近2年以内に職務発明補償の実績を持っている、中堅・中小企業であることがその条件だ。審議委員会に提出された書類に基づき、補償規定、保証実績及び補償規定の合理的な運営状況などを審議して選定された優秀企業に、韓国特許庁長名義の認定書が発給される。

また、特許登録料が減免され、特許維持コストの負担が軽減できる。また、特許優先審査を通じて迅速に特許を登録されるよう、関連法の見直しを推進する考えだ。

韓国特許庁の関係者は、「今回の認証制度を通じ、企業から職務発明補償制度の重要さを認識してもらい、企業内でも、職務発明をきちんと補償する文化が定着され、優秀な技術開発が積極的に行われ、企業の技術競争力が強化されることを期待している。これからも職務発明補償制度が拡大できるよう、知識財産委員会などの関係部署と協議し、職務発明補償優秀企業へのインセンティブを拡大していく計画だ」と述べた。

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