知的財産ニュース モバイルカード出願が増加

2013年5月13日
出所: 韓国特許庁

369

最近、モバイルサービス市場が急成長し、スマートフォンに搭載されクレジットカードの機能をする「モバイルカード」関連の特許出願が増加している。

韓国特許庁によると、2007年には年間20件にすぎなかったモバイルカード関連の特許出願は、2012年49件と大幅増加したという。

国民の60%が保有しているほどのスマートフォンの普及にともない、モバイルカードも大衆化し、関連出願も増加したと分析される。特に金融会社の出願が増えていることも注目される。モバイルカードの利用額が2011年145億ウォンから2012年784億ウォンと5.4倍も規模が増加したため、金融会社が我先にとモバイルカードサービスを発売していることも背景としてあげられる。

実際に、モバイルカードへの転換による効果は様々だ。ユーザーは実物のクレジットカードを持っていなくても使用と管理が簡単にできる。カードを持っていないことで積み立てや割引を受けない場面もなくなる。サービス提供者は、1枚当たり200ウォン程度のカードの発給費用が省ける。昨年の1年間発給されたクレジットカードとデビットカードは、計2億312万枚で、それを全てモバイルカードに転換すると、最大408億ウォンのコストが削減できる。また、プラスチック利用の減少による環境保護や、スマートフォンを通じたリアルタイムのマーケティング効果まで期待できる。

しかし、ネックもある。加盟店の追加決済機設置の負担、利用者の利便性向上、個人情報輸出の防止などは、解決しなければならない問題だ。

最近出願された技術は、その解決策を提示している。携帯電話にバーコード表示し従来のバーコードリーダー機でも決済が可能な技術や、予め決めておいた優先順位に沿って割引・積み立てを考慮し最適のカードを推薦する技術も注目される。セキュリティ強化のためのOTP(one time password)や生態認証技術が用いられた技術もある。

韓国特許庁の関係者は、「モバイルカードの普及にともない、技術の向上とセキュリティの強化に対するニーズが高まっている。市場での先行を狙い、金融会社を中心とした技術とサービスの競争がさらに激しくなり、モバイルカードサービス関連の特許出願も続くだろう」と述べた。

最近10年間モバイルカード(モバイル財布)関連の特許出願の現状(2003~2012)

モバイルカード関連の特許出願人の分類(2003年~2007年と2008年~2012年比較

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195