知的財産ニュース 世界知的財産G5、特許ハイウエー開通

2013年9月25日
出所: 韓国特許庁

4332

先進5大特許庁(IP5)、特許審査ハイウェー施行に合意

スイス・ジュネーブで開催された第51回目の世界知的所有権機関(WIPO)総会に参加中の金・ヨンミン特許庁長官は、韓国をはじめ米国、中国、日本、ヨーロッパ特許庁(EPO)が参加する特許分野の先進5カ国(IP5)の特許庁長官会合に参加し、特許審査期間の短縮に向けた「IP5特許審査ハイウエー(IP5 –PPH)」の施行に合意した。

「特許審査ハイウエー(Patent Prosecution Highway,PPH)」とは、出願人が自分の発明を2カ国以上の国へ出願した場合、先に審査を行い特許が可能であると判断した国の審査書類を、その後で審査を実施する国の特許庁に提出すれば、先に審査したその事実を参考にして該当の出願を一般出願より早く審査を行う制度のことをいう。

現行の個別の国家間同士で行われる一対一方式の「2カ国間PPH」では、国によってPPH申請の要件や提出書類などが異なるため、色んな国において特許を受けようとする出願は不便であった。今回の合意により来年1月からIP5の国家間において簡素で標準化した要件が適用されることにより、米国、中国、日本及びヨーロッパ地域に出願する韓国の国民と企業は特許審査ハイウエー(PPH)制度を利用し、さらに便利かつ早急に該当地域における特許権の確保が可能となる。

特に、ヨーロッパは韓国企業が米国と中国の次に多くの特許を出願しているが、未だに韓国とヨーロッパ特許庁(EPO)間では別途のPPHが締結されてなく、ヨーロッパでは特許を早期に確保しようとする韓国企業は不便であった。今回合意されたIP5-PPHにヨーロッパ特許庁も参加することにより、世界最大市場であるEU地域において韓国企業が益々早く特許を獲得することができる道が開かれた。

IP5は世界特許出願件数の約90%を占め、そのうちの約26%程度は2ヵ国以上の国へ重複して出願しているものと推算される。今回合意されたIP5-PPHが本格的に施行されればIP5の特許庁が抱えている特許審査パックログを解消し審査処理期間を短縮する効果を期待できる。

一方、金長官は今回の先進5カ国間で合意されたIP5-PPHとは別件に、韓国企業の主要海外特許出願地域であるスウェーデン、スペイン、イスラエル、ポルトカル特許庁とも個別面談を設け、別途の2ヵ国間のPPH及びPCT-PPHの施行に関する業務協定を締結する予定である。そうなると韓国は計19カ国とPPH及びPCT-PPHを締結することとなり、韓国企業がさらに多くの国において特許をより早く確保できる基盤ができるものと予想される。

また、金長官は今回のWIPO総会期間中にオーストラリア、チリ、スウェーデン、デンマーク、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポールなどと別途の会談を設け、人的交流、共同研究などを含む知財権分野の相互協力方案について論議を行う予定である。

金長官は、「韓国が世界産業財産権出願4位、PCT出願5位など知的財産分野における高い国際的位相を基盤に、韓国の国民と企業が持つ創造的アイデアが海外において広く保護・活用できるよう知的財産基盤の創造経済環境を構築していきたい」と明らかにした。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195