知的財産ニュース 造船海洋分野、特許と技術を紹介する「スマートe-book」発刊

2013年2月20日
出所: 韓国特許庁

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多様な動画と3Dで再現した分かり易くて使いやすい機能が目立つ

韓国特許庁は、韓国の造船海洋分野の知的財産大衆化に向け、特許と技術を紹介するe-book「海洋プラント、及び造船分野の特許・技術手引書[1]」(以下、「手引書」という)を発刊した。

2000年から世界首位の座を維持している韓国の造船海洋産業は、知的財産分野も大きな変化が現れている。

造船海洋産業の特許出願は、2000年代初めは年間500件を下回っていたが、2000年代半ばからは知的財産の重要性を認識した大手造船メーカーを中心に特許出願が急増し、昨年には約2800件が出願された。

しかし、設備メーカーをはじめとする中小造船所と関連大学・研究所の特許出願件数は、大手造船所の30%にも満たないのが現状だ。

多様な動画と3Dで分かり易く、便利に利用できるように具現された機能が目立つこの手引書は、比較的に知的財産活動が低迷している産官学に大きく役立つと期待されている。

手引書は、大きく2部分で構成されており、第1部では、発明が特許として保護されるまでの全過程(発明、特許出願、審査、審判)が、第2部では最近注目されている海洋プラント及び造船分野の再審技術と関連動画が載っている。

特に、出願明細書の作成、特許審査・審判の事例、進歩性の判断基準などを説明し、特許列車路線図や動画、3Dなどのマルチメディア、アバタ、キャラクターなどを用いて利用者の利便性と理解、親密感を高めたのが特徴だ。

手引書を直接起動した韓国造船協会、及びその加盟社の関係者は、「研究員はもちろん、特許への理解が不足している新入社員、現場の作業担当者に大きく役立つだろう」と評価し、監修者のブギョン大学のぺ・ドンミョン教授は、「分かり易くて楽しく勉強できるように作られ、学生向け特許と造船海洋工学の教育資料として有効に使われるだろう」と大きな期待を示した。

韓国特許庁は、世界1位の韓国造船解消産業が今後、知的財産においても世界1位を獲得できるよう、今回に発刊される手引書が強い特許出願の増加と、造船海洋分野の知財専門家育成に向けて小さな踏み台になるとコメントした。

一方、この手引書は、アップルのアイパッド(iPad)を利用してアイビックストアー(iBooks Store)で無料でダウンロードでき、韓国特許庁ホームページ(www.kipo.go.kr)の「情報広場/刊行物/その他の資料」を通じてPDFでダウンロードできる。

図1:世界造船受注量の統計(単位:百万CGT)
(出処:知識経済部の2013.1.15日付報道資料)

図2:造船分野の特許出願の動向
年度別の造船分野(IPC B63)の特許出願件数(韓国特許庁)

図3:造船海洋分野の主な出願人属性(グループ)別特許出願の動向
2012年度主な出願人属性(グループ)別特許出願件数
(韓国特許庁、全体IPCの出願人基準)


注記

[1] iBooks Author2.0で制作、計722ページ(本分544ページ、用語集178ページ)、全体容量は約1.2GB。ダウンロード時間は約15分。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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