知的財産ニュース サムスンとアップル 舞台裏では特許交渉

2013年7月22日
出所: デジタルタイムズ

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サムスン電子とアップルが裁判所で特許攻防を持続しているその裏舞台では、特許交渉を着実に進めてきたことがわかった。特に、2月には、最終合意まで話が進んでいたことが明らかになり、年内の交渉妥結がささやかれている。

米国ウォールストリートジャーナル(WSJ)などの外国メディアは、21日、アイフォンの米国輸入禁止判定と関連し、米国国際貿易委員会(ITC)が今月の初めに公開した文書において、サムスンとアップルが昨年9月から現在まで、特許交渉を進めてきたことが確認されたと報道した。

この文書によると、サムスンとアップルは、今年2月、合意直前まで話が進み、この過程でサムスンは、包括的クロスライセンスの締結を提案したという。

両社の交渉は、アップルが昨年8月末、米国陪審員評決で勝訴した直後、9月にサムスンに交渉を提案したのがきっかけとなった。これに先立ち、昨年5月、サムスン電子未来戦略室のチェ・ジソンサ室長をはじめ、アップルのティム・クック最高経営者(CEO)などの幹部が米国裁判所の命令に応じて交渉を進行したが、形だけで終わってしまった。

アップルの提案によって始まった交渉は、昨年の12月と今年3月に集中的に行われ、2月7日には、各社の幹部に伝わる了解覚書(MOU)の草案まで作成するなど、合意が目前であったという。しかし、終盤で異見を縮めることができず、3月には交渉が決裂した。

以後にも、サムスンによる交渉再開の提案があったほか、6月には、ITCがアイフォンの輸入禁止判定を下した後、両社が交渉テーブルに復帰したが、合意に至る道筋は険しい状態だ。

一方、業界では、早ければ年内の合意を見込んでいる。両社が昨年から独自で交渉を進めてきただけに、いつでも交渉に乗り出す可能性があるためだ。特に、サムスンとアップルの訴訟が一方的な勝利に終わることのできない側面があり、単に交渉で有利な地位を確保するための手段に変質したため、両社の紛争を終わらせることは、結局交渉による合意になるというのが業界の見方だ。

業界の関係者は、「2年以上訴訟を進めてきたが、巨額の費用を使いながらも確かな勝利を収めることもできず、疲労が積もっている。両社とも、交渉だけが解決の糸口を探る手段だということは承知の上だろう」と話した。

キム・ユジョン記者

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