知的財産ニュース 韓国政府、USTR決定に2回目の遺憾の意を示し

2013年10月9日
出所: 電子新聞

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韓国政府がサムスンとアップルの特許係争をめぐる米国米通商代表部(USTR)の決定について再度遺憾の意を示した。これは、8月に続き2回目だが、実質的な効果があるかどうかは不透明だ。

産業通商資源部は、「サムスン電子とアップル相互間の特許侵害に対し、米国国際貿易委員会(ITC)の輸入差止め命令についてUSTRがそれぞれ異なる決定を下したことに遺憾を表明する」と9日発表した。

これは、USTRがUSTICのアップル製品輸入差止め命令について8月には拒否権を行使したが、サムスン電子の輸入差止め命令は、8日に承認判定を下したため、これに対し抗議の意を伝えるためだ。

産業部は、「サムスン電子とアップルが携帯用の通信機器(スマートフォン177)分野でグローバルに競争を繰り広げている状況で、USTRが両社の輸入差止め命令それぞれについて異なる決定を下したこと」を指摘した。直接表現はしなかったが、事実上、同じ事案をめぐり、米国企業に有利な措置が下されたことを指摘したと分析されている。

産業部は8月、USTRの拒否権行使のときにも遺憾の意を示した。政府レベル出された最初の遺憾表明にも異例だという反応があったため、2回目の遺憾表明は、それだけ韓国政府が事案を重く見ていることを裏付ける。産業部は、今後の流れを見守り、追加対応も検討する方針だ。

しかし、現在としては、韓国政府が直接取れる追加の措置はない。USTRの拒否権行使は、米政府が自国法と制度に基づいたもので、韓国とのFTAなど国際通商協定を違反したものとは見なせないためだ。

自然に韓国政府も頭を悩ます。産業部が8月にUSTRに遺憾の意を示したが、今回を結果から大した効果はない格好となったからだ。

あいにくも、USTRの今回の措置は、産業部のユン・サンジク長官が5日インドネシアで開かれた「第2回米韓FTA共同委員会」でフロマン代表との会合3日後に出された。

これは、米韓FTAの移行を見直す会議だったが、韓国政府が2回も遺憾の意を表明するほどUSTRの決定を見守っていたのであれば、より積極的な先行的措置を取るべきだった。会合の時にユン長官とフロマン代表との間で、サムスンとアップルの特許係争に関するコメントがあったかどうかはまだ確認されていない。

イ・ホジュン記者

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