知的財産ニュース 日中韓3カ国特許庁、共同ホームページ民間公開を推進

2013年11月15日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、2013年11月14日、札幌で開催された第13回日中韓特許長官会合において、3国間の知的財産協力に関する情報が載せられているウェブサイト「トリポネット(TRIOP:Trilateral IP Offices)」を共同で構築し、この日から一般に公開することで合意したと発表した。

3国特許庁は、毎年増加している特許出願件数と、それに伴う業務量の増加などの課題に共同対応するため、2001年から特許、デザイン、情報技術、人材の育成など、様々な分野で協力を進めている。

今回に公開されるホームページは、日中韓3カ国特許庁間で進められた取り組みについて紹介し、分野別の協力事業の成果をまとめたもので、これまでは、3国の審査官のみが利用できた。

3国共同のホームページが一般に公開されることにより、知財権分野における多様かつ有用な情報が民間に提供される予定だ。具体的には、日中韓3カ国特許庁の新規性・進歩性の判断に関する比較研究報告書、各国の法令比較対象表、各国の特許審査指針書、知的財産法及び特許情報検索サービスのリンク集などが含まれる。

一般公開により、韓国の企業や国民は、中国・日本の知的財産情報にアプローチしやすくなると見込まれている。こうした3国共同ホームページの一般公開は、公共データの開放をかかげる新政権の「政府3.0」政策の一つとして、韓国特許庁と中国・日本特許庁が協議を行ってきた結果だ。

現在、日中韓3国特許庁に対する世界からの特許出願件数は、世界の出願件数の41%、デザイン出願件数は世界出願件数の78%にいたるなど、知財権分野で日中韓3カ国の協力の重要性とその影響は非常に大きいといえる。

そのため、今回に構築されたホームページから提供される3国の協力事業の結果及び中国・日本の知財権情報は、現地に進出する予定の韓国の企業や国民が安定的かつ予測可能な権利確保に役立つと期待されている。

一方、今回開催される日中韓特許庁長官会合では、2012年3国特許庁会談のとき、韓国特許庁の提案によって合意された「日中韓知財権ユーザーフォーラム」も開催される予定だ。韓国側の知財権ユーザーグループ代表として、韓国知識財産協会(KINPA)と大韓弁理士会が同シンポジウムに参加してテーマ発表を行う計画だ。

韓国特許庁のキム・ヨンミン庁長は、「政府3.0の推進のためには、国内だけでなく、海外の公共データの対民公開も非常に重要である。これから、日中韓3国の共同ホームページに有益な情報がより多く掲載され、中国や日本に進出する韓国の企業、出願人の利便性が向上されるよう、3国間の相互協力を一層強化していく構えだ」と述べ、「日中韓の知財権ユーザーシンポジウムを持続的に開催し、特許制度の利用顧客とのコミュニケーションをさらに拡大していく計画だ」と説明した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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