知的財産ニュース [世紀の特許合戦] 特許合戦、アップル対アンドロイドに拡大

2012年8月27日
出所: 電子新聞

3708

米国でアップルが圧勝し、特許戦争も新しい局面を迎えた。

アップルは、サムスン電子の商品について販売差止め仮処分を申請する一方、新商品の「ギャラクシーS3」に訴訟を拡大していく構えだ。苦戦を強いられているサムスン電子は、グーグルなどのアンドロイド陣営と連携して反撃に乗り出すとみられている。

グーグルと合併したモトローラは、アップルが7件の自社特許権を侵害したとして国際貿易委員会(ITC)に直ちに提訴した。4月に続いて2度目だ。グーグルが事実上、モトローラを押し立ててアップルと全面戦争を始めたのだ。

アップル、大攻勢を始めるか

アップルは、デザインをはじめ、UI特許を全て認められ、ギャラクシーS3の販売差止めに有利な立場となり、直ちに追加訴訟を行うと予想されている。

ギャラクシーS3は、7月に世界で1000万台以上が売られた人気商品だ。6月末に米国市場で発売されたギャラクシーS3は、アイフォン5のリリースの遅れと相まって、ヒット商品となった。

サムスン電子は、「ギャラクシーS3は、曲線型にデザインし、侵害が認められたバウンス・バックなどを採用していないため、今回の認定範囲には入らない。」と過剰解釈を警戒した。グーグルとサムスン電子は、ギャラクシーS3に7月にギャラクシーネクサスの販売が差し止めされた時、問題となったSWを搭載して対処している。

アンドロイド陣営の大反撃

サムスン電子とHTCなどを通じてアップルと代理戦を繰り広げているグーグルは、モトローラを買収後、アップルと全面戦争に乗り出した模様だ。

モトローラは17日、アイフォンの「シリ」や位置情報確認、電子メールの通知などの技術が自社特許7件を侵害したとしてITCにアップルを提訴した。モトローラは、アジアで生産されたアップル商品の米国への輸入差し止めを要請した。アイフォンが全て中国で組み立てられているため、アイフォン全量の販売差止めを意味する。

韓国で特許通信の侵害を立証したサムスン電子もアップルへの圧力カードとして「アイフォン4S」と10月に発売予定の「アイフォン5」を訴訟に巻き込む可能性もある。

チェジョングク法律事務所のチョン・ウソン弁理士は、「サムスン電子をはじめ、メーカーを相手にしたアップルのグローバル特許訴訟合戦は、グーグルを相手にうまく織り込まれた戦いだ。アップルとサムスン電子が協力関係であっても、独自の交渉でこの戦いが終了する可能性はない。」と述べた。

キム・インスン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195