知的財産ニュース 技術流出防止、電子指紋で解決

2012年3月16日
出所: 韓国特許庁HP

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最近、企業が自社の重要な資産である技術情報などを守るための解決策として、営業秘密原本証明サービスに関心が集まっている。

三星電子もまた、営業秘密原本証明サービスの利用契約を大量に締結してサービスを利用し、営業秘密を保護している。

三星電子関係者は「現在保有している数万件の営業秘密に対する効果的な管理だけでなく、今後発生し得る技術流出に戦略的に対応するために、営業秘密原本証明サービスを利用するようになった」と話した。

営業秘密原本証明サービスは、特許庁が韓国特許情報院と共同で導入したもので、営業秘密が盛り込まれた電子文書は、個人や企業が自主的に保管し、該当の電子文書から抽出された固有の識別値、すなわち電子指紋の登録を通して営業秘密の保有事実を証明してくれるサービスだ。

これまで技術流出による紛争が発生した場合、被害企業はその営業秘密をいつから保有していたという事実を証明するのが容易ではなかった。

このサービスを利用するようになれば、営業秘密の保有事実を立証することができるだけでなく、勤労者とその該当する営業秘密との関連性が把握でき、前・現職の勤労者による営業秘密の流出が抑制される効果があり、流出の際にも流出した営業秘密の特定など、紛争解決の資料として有用に活用することができる。

また、他の企業と取引を始める前にサービスを利用すれば、取引過程で技術が流出する場合に自身がその技術の正当な保有者であることを難なく立証することができ、競争会社の特許権取得に備えて特許法上の先使用権を立証する資料としても利用することができる。

特に、原本証明サービスは、営業秘密の実体資料ではなく電子指紋だけを登録し、登録および証明過程において営業秘密の流出の懸念がないという点から企業からも高評価を受けている。

営業秘密原本証明サービスは、韓国特許情報院のサービスホームページ(www.tradesecret.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)またはPC専用ソフトウェア、大量に利用する企業の場合は企業の運営システムとサービスを連動して簡便に利用することができる。

特許庁産業財産政策局 李・ヨンデ局長は「米国、日本など海外では1990年からこのような原本証明サービスが活発に運営されている」とし、「核心技術など営業秘密の流出による企業の被害が産業界の大きな問題となっている中で、原本証明サービスは、大企業はもちろん保安レベルが脆弱な中小企業などが、安全かつ便利に技術を守るのに有用だ」と述べた。

一方、特許庁は、営業秘密原本証明サービスの信頼性を高めて、その利用を活性化するために営業秘密原本証明の根拠条項を作成するための「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」の改正を現在推進している。

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