知的財産ニュース 知財紛争、技術からサービス・商標権に拡大

2012年12月22日
出所: 電子新聞

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韓国の国民的ゲームと言われているスマートフォン向けゲーム「AniPang」が商標権侵害で提訴された。サムスンとアップルの特許権係争により、デザイン権の重要性が強調されているが、サービス業・商標権など、他の知的財産(IP)権は注目されなかった。製造業を中心に技術紛争のみに重きを置く時代は過ぎたのだ。サービス・流通・インターネットなど、あらゆる産業において総合的なIP管理対策が急がれている。

韓国では、商標権の侵害が特許侵害より悪質だというイメージがある。キョンウン国際特許法律事務所のチョン・ジョンハク代表弁理士は、「商標は、大衆サービスの性格が強く、公共性が高い。独占技術を意味する特許とは違う」と説明した。特に、商標権の侵害は、告訴権者の告訴がある時だけに告訴を提起する特許権とは異なって非親告罪に分類される。事前に紛争の当事者が和解して問題を解決できる特許侵害とは異なり、商標権侵害は、判決が出されれば、損害賠償・商標使用差し止めだけでなく、刑事処罰も可能だ。

サービス標・商標分野について業界の広告費を投資しない傾向も紛争を深刻化する恐れがある。独占使用権があるサービス標の存在自体を知らない場合も多い。IT分野で注目されている特許権だけでなく、サービス・商標権を保護し、他人の権利を侵害しないようにしなければならないという声が出ている。チョン弁理士は、「先に登録された商標を徹底に検索し、紛争を回避するため、権利について十分な知識を備えておくべきだ。」と説明した。

クォン・ドンジュン記者

事例1

「マッコリ(막걸리)」は日本の商標だ?

2008年、京畿道の「ポチョンマッコリ」、「一東(イルドン)マッコリ」を日本に輸出していた企業が日本での商標登録を試みたが、現地調査の結果、2008年11月、日本の「清風」が「一東マッコリ」という商標を先に登録していたことが分かった。日本の商標法では、地理的な著名表示(ポチョン市イルドン村)である韓国の「一東マッコリ」で訴訟を提起すると、日本での商標が無効化される可能性が高い。ある専門家は、「日本会社の商標権が無効になっても最後まで権利行使を行えば、直ちに韓国企業の輸出に支障をきたしかねない。」と指摘した。

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