知的財産ニュース 悲壮なサムスン、「これ以上アップルとは…」

2012年11月15日
出所: デジタルタイムズ

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サムスン電子、「アップルと特許交渉しない」・・・HTCと違って訴訟継続の意思示す

サムスン電子の申宗均(シン・ジョンギュン)IM(IT・モバイル)担当社長がアップルと特許関連して交渉する意思がないことを明確にした。先日、台湾のHTCは、アップルとの特許ライセンスについて合意したが、サムスン電子は、決着がつくまでアップルとの訴訟を続けるとみられている。

14日に申社長は、ソウルのサムスン本社で記者団に対し、「HTCがアップルに3000億ウォンを支払うことを決めたのが本当かどうかは分からないが、我々には(交渉)意思が全くない」と明確に発言した。これは、アップルのほうから和解を求めてくるか、特許訴訟で結論が出ない限り、訴訟を続けるという確固たる意思を表明したことと解釈できる。

一部の外国メディアは、HTCとアップルが今後10年間続けてきた特許交渉にピリオドを打ったことを受け、特許訴訟の方向が激しい攻防戦から交渉へと、新たな局面に入ったのではないかという分析を出した。

しかし、申社長の発言から、サムソン電子はHTCとは反対に強硬な姿勢を維持すると予想されている。外国メディアによると、アップルがHTCから受けるロイヤルティは、スマートフォン端末1台当たり6~8ドルだ。来年のHTCスマートフォン予想販売量を3000万から3500万台だと仮定して推算すると、年間3000億ウォン以上のロイヤルティを支払うことになる。

サムソン電子のスマートフォン販売量は、第3四半期だけで5600万台であり、これをHTCが支払うロイヤルティに換算すると、記録的な巨額にのぼる。サムソン電子がロイヤルティを支払うようになった場合、天井知らずに嵩んでいる訴訟費用よりも深刻な打撃になると予想されるため、アップルとの特許戦で真っ向勝負を挑むべきだという強硬論がサムソン内部で力を得ている。

申社長は、「第4四半期にもサムスン電子のスマートフォン販売量がアップルを上回るか」という質問に対し、「アップルの売れ行きは分からないが、サムスンの販売は好調だ。第4四半期も第3四半期には負けないと思う」と自信を表した。

キム・ユジョン記者

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