知的財産ニュース 特許怪物、インターデジタルの新たな脅威

2012年4月10日
出所: デジタルタイムズ

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「特許怪物(パテントトロール)」のインターデジタルが、パンテックとエイサー等の企業に対し、新規のロイヤリティーの提供を要請して勢力を拡大している。

10日、インターデジタルは韓国のパンテックおよび台湾のエイサーと新たにライセンス契約を締結したと明らかにした。ライセンス契約に対する詳細な内容は明かさなかったが、パンテックとエイサーは通信特許関連で新たにロイヤリティーを支払うことになったと明らかにした。

パンテックは去る2005年、経営難であった当時インターデジタルに株式で債務を返済しており、今回のライセンスは従来の契約にタブレットPC関連の新しい内容のみを追加したものだと伝えられた。

インターデジタルは、製品を生産せずに自社で購入した通信特許に対するライセンスを主事業とする企業で、2G、3G、4G の通信技術と関連して2万件に達する特許をもとに毎年 3億ドル近い金額を儲けている。特許庁によれば、この会社は国内においても2012年4月基準で国内のLTE特許のうち、最も多い14.7%の特許を保有している。

インターデジタルは、昨年アップルと三星電子などに会社を売却する方案を検討した。しかし、アップルと三星電子の訴訟戦など昨年からグローバル特許戦争の重要性が高まっており、独自生存を模索、世界の通信業界に新たな脅威となっている。

また、今年初めには、LG電子を3G通信技術関連の特許侵害の疑いで米国国際貿易委員会(ITC)に提訴している。インターデジタルは、エイサーとパンテックの場合と同様、世界のスマートフォン機器の市場競争に進入しようとする瞬間、ターゲットとして狙いを定め特許料を要求する。

ローレンス・シャイ インターデジタル特許部門社長は「製品を拡張しているエイサーとパンテックのような企業らとともに、当社のライセンシングプログラムも拡大していくことを期待している」と述べた。

しかし、スマートフォンメーカーらは、世界市場に展開するほど新たな脅威を懸念するようだ。

パク・ジソン記者

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