知的財産ニュース 欧州特許情報市場の動向が一目で分かる

2012年9月6日
出所: 韓国特許庁

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国際特許情報カンファランス(PATINEX 2012)を開催

最近、サムスン電子とアップルが米国や欧州など、世界を舞台に特許紛争を繰り広げているなか、欧州特許情報市場の最新動向と特許情報の活用戦略が把握できる国際イベントが韓国で開かれ、注目が集まっている。

韓国特許庁は、9月6日から7日の2日間、韓国科学技術会館にて「欧州特許の全て」(The Ins and Outs of European IP Information)というテーマで「国際特許情報カンファランス(PATINEX 2012)」を開催すると発表した。

欧州は、韓国の主要輸出先であるにもかかわらず、ここ15年間、欧州に登録された韓国特許は1万2千件と、同期間中に登録された韓国の海外特許※2 の9%に過ぎなかった。
※(2011年の輸出量、ドル)中国1千3百億、欧州560億、米国560億、日本4百億
※※(海外特許の登録現況、1995~2009)米国63000件(50%)、日本2万件(16%)、中国2万件(16%)

昨年7月、韓EU間のFTA発行により、韓国企業の欧州市場への進出が一層活発になっている一方、欧州で相対的に特許出願件数が不足しており、韓国企業の対応能力は、非常に脆弱になることが予想されている。こうした欧州での特許紛争を事前に防ぐためには、何よりも欧州特許情報市場の動向把握と特許情報を活用した対応戦略の確立が重要だ。欧州特許情報市場をテーマにした今年のPATINEXでその方策を探ることができる。

PATINEXでは、専門家のテーマ発表をはじめ、参加者と企業がノウハウを共有できるワークショップ、展示会社にマーケティングの機会を提供するパビリオンに構成されている。

今年は、ドイツ特許裁判所長を歴任した欧州特許庁(EPO)のライモンド・ルッツ(Raimund Lutz)次長と欧州最大の特許情報使用者グループのミュンヘン事務所PDG(Patent Documentation Group)のモニカ・ハネルト(Monika Hanelt)会長の基調演説が予定されている。

また、世界的な法律会社であるフィッシュ&リチャードソン(Fish & Richardson)ミュンヘン事務所のフランク・ピターラインス(Frank D., Peterreins)代表など、欧州特許情報分野の最高の専門家による講演も予定されている。

これとは別途に設けられたパビリオンでは、ウィップス(WIPS、韓国)、アニファイブ(ANYFIVE、韓国)、トムスン・ロイター(Thomson Reuters、イギリス)、レクシスネクシス(LexisNexis、オランダ)など、国内外19社の特許情報会社の様々な特許情報サービスを体験することが出来る。

韓国特許庁情報企画局のビョン・フンソク局長は、「PATINEX2012は、経済危機の中でも貿易が増加している欧州に集中的にスポットを当て、韓国企業の特許登録件数が相対的に不足している欧州市場の最新動向を把握し、特許情報の活用戦略確立に最も良い機会だ。」と述べた。

カンファランス関連の資料は、PATINEXホームページでダウンロードできる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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