知的財産ニュース アップル「ギャラクシー3」も提訴…訴訟合戦も全面戦に

2012年9月3日
出所: デジタルタイムズ

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ギャラクシーNote・Tabまで…訴訟対象を全製品に拡大
デザインに代わりアンドロイド基幹機能を提訴
サムスン「訴訟を利用してイノベーションを制限…強硬対応」

アップルがサムスン電子の戦略的商品である「ギャラクシーS3」と「ギャラクシーNote」について、特許侵害で追加提起した。これまでは「角丸」などのデザインを問題にしてきたが、今回の訴訟は、アンドロイドの基幹ソフトウェアを直接狙ったもので、アップルがサムスンへの訴訟を通じて、グーグルのフラットフォーム全体に圧力をかけ始めたと分析されている。

米国時間の1日、ロイターなどの外国メディアは、アップルがサムスン電子の「ギャラクシーS3」、「ギャラクシーNote」、「ギャラクシーTab」を含めた4つの製品が自社のソフトウェア関連の特許を侵害したとして米国カリフォルニア北部裁判所に追加提訴したと報じた。

アップルは、2月に「ギャラクシー・ネクサス」について提起した訴状を修正し、「ギャラクシーS3」や「ギャラクシーNote」をはじめ、「ギャラクシーTab7.0」、「ギャラクシーTab8.9」など、米国の通信キャリアを通じて販売されている28機種のモデルを追加した。アップルは、先月24日に米国の陪審員評決を通じて「ギャラクシーS」、「ギャラクシーS2」の特許訴訟で完勝しており、今回の追加訴訟でサムスンのギャラクシーブランド全体を特許侵害品目に含ませた。そのうち、「ギャラクシーS3」、「ギャラクシーNote」は、世界的な人気モデルとして順調な売れ行きを見せ、「1000万台モデル」となっているため、サムスンとアップルの訴訟合戦は、一歩も譲れない「チキンゲーム」が始まっているという見方もある。

アップルは、これまでは「角丸」デザインや「トレード・ドレス」を問題にしてきたが、今回の訴訟では、デザインには一切触れず、アンドロイドの基幹ソフトウェアを問題にした。アップルが提訴した特許は8件で、ロックを解除 データ統合検索 ウェブページと電子メールなどで1度のタッチで電話をかけたり、電子メールを送ったりする機能など、全てソフトウェア関連の技術だ。

専門家は、今回の追加訴訟が局面を転換させ、追加訴訟を続けていくための圧力カードだとみている。「角丸」のデザイン特許権を認めた米国陪審員の評決後、非難の声が高まっており、日本の裁判所がサムスンに軍配を上げるなど、米国以外の地域では連敗しているほか、「反アップル」感情が現れ始めたためだ。東京地裁は、アップルが昨年8月に提起した特許侵害件(メディアプレイヤーコンテンツとPC情報の同期化方式)について、先月31日にサムスンが特許を侵害していないとしてサムスンに軍配を上げた。

また、アップルは、アンドロイドのレファランス携帯端末である「ギャラクシー・ネクサス」とサムスンの注力商品に対し、追加訴訟でアンドロイド開発者であるグーグルを本格的に訴訟合戦に取り込むという意志を示した。最近、グーグルは、サムスン電子の特許がアンドロイドの基幹技術とは関係がないと否定しているが、アップルが追加提訴した部門は、基本ソフト(OS)と密接に関係しているソフトウェア技術だということで、今回にはグーグルも逃げられないという分析だ。米国現地では、既に先月、アップルのティム・クックCEOとグーグルのラリー・ページCEOが会合した際、アップルがグーグルに対し「最後の通告」のメッセージを送ったか「密約」を交わしたと伝えられている。

アップルの追加提訴に対する本案訴訟の審理は、12月に始まる。しかし、「ギャラクシーS」の訴訟が1年半以上かかったことを踏まえると、今回の訴訟も来年の下半期に原審の判決が出されると予想されている。サムスンとしては「ギャラクシーS3」と「ギャラクシーNote」を販売する時間的余裕は十分あるとみられるが、ソフトウェアのアップデートを準備しなければならないなど、追加の対策が迫られる。特に、アップルが「ギャラクシーS3」などに対する販売差し止め仮処分申請を提起する可能性もあり、迂回技術の確保とともに、裁判所での真剣勝負も避けられないと見られている。

サムスン電子は、「市場での競争より、訴訟を利用してイノベーションを阻害しようという措置について、とても残念に思っている。消費者がサムスンの革新的な商品を選択するのに差し障りのないよう、法的対応を強める方針だ。」と述べた。

パク・チソン記者

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