知的財産ニュース IPサービス人材育成に本腰

2012年12月3日
出所: 電子新聞

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韓国政府が知的財産(IP)サービス産業の人材育成に本腰を入れる。国家知識財産委員会の戦略化企画団のコ・ギソク団長は、3日、ソウルで開催された「国家知識財産ネットワーク(KIPnet)第2回カンファレンス」でこのような内容を正式発表した。

コ団長は、「国家知識財産戦略1年、その理想と現実」という主題講演において「今月に開かれる委員会で知的財産人材育成の総合計画を審議する予定だ」という内容を明らかにした。今回の措置は、専門人材の不足を指摘する業界の声を反映したものだ。韓国政府による知的財産サービ産業の実態調査の結果によると、IPサービス業界の57.2%が「専門人材が不在している」と答えた。IPを活用の公共機関とIPサービス専門企業では、その割合がそれぞれ80%と74.5%とさらに高い。

コ団長は、この1年間の成果について「知的財産の創出・保護・活用・基盤などの各分野で前向きな変化の兆しが現れているが、根強く残っている懸案が山積している」としてこれからの役割の重要性を強調した。

生命工学政策研究センターのヒョン・ビョンファンセンター長は、「価値のあるIP創出と戦略としてのIP-R&D連携策」という講演で「R&Dパラダイムの変化に応じた戦略的な知的財産の創出を実現するためには、研究の遂行段階でも急変している技術環境の変化を反映すべきだ」と強調した。センター長は、そのためのR&D支援システムの運営策として4PのR&D支援システムを提案した。4Pシステムとは、論文(Paper)・特許(Patent)・産業(Product)の分析である3P分析システムにポートフォリオ(Portfolio)分析を加えたものだ。この提案についてパネリストは、「革新的な技術の開発を通じて活用と保護に問題のない、価値のあるIP創出を実現するためには、研究者・情報分析及び市場分析専門家・法律家間の「協力研究システム」を設ける必要がある」という意見を示した。

韓国知識財産保護協会のイ・ミンジェ本部長は、「中小・中堅企業の目に見えない特許紛争の現実と今後の課題」という発表において「韓国がIT大国として飛躍したため、特許紛争が多くなっている」として特許紛争の対応に向けた大手・中小企業間の協力の必要性を強調した。パネル・ディスカッションに参加したKIM&CHANG法律事務所のハン・サンウク弁護士は、「中小企業は、知財権紛争を経営の枠に据え置き、係争に備えるべきであり、政府は、苦労している中小企業の特許紛争の対応を体系的に支援する策を講じるべきだ。」と提案した。

アイデアブリッジのキム・ホンイル代表は、「国内外のIP金融政策・制度の動向と今後の課題」を発表し、IP金融発展の阻害要素として金融規制による投資誘致の難しさ、基礎資産の無効化率による財務的な投資誘引の不足、IPビジネスが創出に集中されていること、IP-金融分野間の交流の難しさなどをあげた。

キム・ジュンベ記者

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