知的財産ニュース サムスン・LG、グローバル特許係争の標的に

2012年11月27日
出所: 電子新聞

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サムスン電子とLG電子がグローバル特許訴訟の標的にされている。

グローバル特許係争がスマートフォンメーカー同士の戦いから通信設備メーカー対スマートフォンメーカーの戦いに変わろうとしている。現地時間の26日、スウェーデンの通信設備メーカー・エリクソンがサムスン電子を相手に無線通信技術の特許侵害訴訟を提起し、フランスのアルカテル・ルーセントは、LG電子を提訴した。

グローバルICT市場で存在感が高まっている韓国企業を相手にした特許訴訟が相次いでいる模様だ。

エリクソンは、ホームページに声明を掲載し、「2年近くの交渉が失敗に終わり、サムスン電子を特許権の侵害として米国テキサス東部地方裁判所に訴訟を提起した。」と発表した。

エリクソンは、サムスン電子が自社の通信とネットワーク標準における必須特許技術を侵害したとして訴訟を提起した。エリクソンは、2006年、サムスン電子が自社の無線周波数増幅技術などの特許を侵害したとして訴訟を提起したが、1年後に和解し、無線通信技術の共有に合意した。

エリクソン側は、「2年間サムスン電子側と交渉を行ってきたが、合意には至らなかった。サムスン電子がFRAND条件(公正かつ合理的で非差別的な条件)に違反した。」と主張した。

サムスン電子側は、「特許の再契約交渉に充実に臨んだが、エリクソンは2回にわたるこれまでの契約条件とは反対に、過度なロイヤルティを要求した。断じて受け入れることはできないうえ、必要な法的な措置は全て取る予定だ。」とコメントした。

一方、アルカテル・ルーセントは、LG電子が自社の携帯電話端末とパソコンの特許を侵害したとして米国サンディエゴ連邦裁判所に訴訟を提起した。

LG電子がインターネットや衛星をはじめ、通信でデータを効率的に送信し、DVDブルーレイディスクに保存するビデオ圧縮技術を侵害したと主張した。

LG電子の「チョコレート・タッチフォン」などの7つの商品がこの技術を侵害したとして910万ドルの損害賠償を要求したという。アルカテルは、同じ内容でアップルも提訴した。

LG電子とアップルは、「特許を侵害した事実がないし、問題となっている技術は数多くの部品のなかにある非常に小さな部分だ。」と反論した。

ある米国の弁護士は、「市場競争に負けた企業が特許を武器に訴訟係争を拡大している。市場シェアが高まった韓国企業が主な対象となっている。」と説明した。今回の訴訟を皮切りに、通信設備メーカーとスマートフォンメーカー間の特許係争が本格化するとみられている。

キム・インスン記者

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