知的財産ニュース 電子振興会の特許支援センターが「中小企業の特許紛争の火消し役」

2012年11月10日
出所: 電子新聞

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海外企業による特許侵害訴訟に有効に対処するための案が提起された。中小企業の特許紛争の解決に向けて特許協議体を構成し、対応するという方法だ。

電子情報通信産業振興会の特許支援センターは、紛争が起きたか、紛争が予想される特許をきめ細かく分析し、中小企業の紛争対応を支援する一方で、業界が共同の対応組織を構成し、特許攻撃を防ぐファイアウォールの構築に乗り出すと発表した。特許支援センターのイム・ホギセンター長は、「韓国電子メーカーの世界市場におけるシェア率が高まり、米国・日本などの外国企業やパテント・トロールが韓国企業を激しく攻撃している。こうした状況で、単独で対応しきれない中小企業3社以上を束ねて有効な防御システムを構築することが可能になった。」と述べた。

センターが支援する特許協議体は、海外企業や競合会社から特許攻撃を受けたか、特に紛争が懸念される品目を定めて構成する。これまで、「デジタルサイネージ」や「スマートパッド」など120の特許協議体が運営されている。

特許協議体に加入すれば、関心のある技術と市場の動向調査を通じて情報を交換できる。競合会社の特許の権利分析と侵害調査、権利の無効などについて全体的な分析を支援する。同センター長は、「中小企業が特許訴訟を提起されると、その対応方が分からず、困惑しまう場合が多い。特許無効審判の請求・回避方法の設計・ライセンス方策など、様々な対応戦略をセンターが確立して支援する。」と説明した。

センターでは、企業の訪問コンサルタントや紛争情報サービス、特許専門人材の教育と紛争対応マニュアルを作成し、協議体に提供する。特許専門家と連結するか、特許紛争対応の経験者が訴訟の対応を手助けする。加入した企業は、該当の特許と技術秘密を保障される。

韓国の電子・ITメーカーを対象にした協議体の事業は、中小企業1社以上を含めた同種企業として構成される。大手企業も協議体に加入して情報の交換や中小企業の特許紛争支援などが可能だ。協議体は、特許紛争がない時には年に1回、紛争が発生すれば随時で会議を行う。紛争がない場合は、国内外の出願海外企業の特許動向情報を交換し、紛争が発生すれば、問題になる特許について対応戦略を練り上げる。同センター長は、「短期的には特許紛争を防ぎ、紛争経験を蓄積して対応力を高める。一方、長期的には、研究開発(R&D)の無駄な支出を削減し、グローバル知的財産権と連携してR&D方向を設定する。」と述べた。

クォン・ドンジュン記者

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