知的財産ニュース コダック、結局破産申請

2012年1月19日
出所: 電子新聞

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132年の伝統あるコダックが、結局破産保護を申請した。

ブルームバーグなど外信は、19日にコダック本社とアメリカ国内子会社がニューヨーク,マンハッタン破産裁判所に破産保護を申請したと報道した。数年間の販売不振による流動性危機から生き残るための措置だ。米国以外の地域の子会社は、破産保護申請から除外された。マンハッタン破産裁判所に申請した破産保護書類には、51億ドルの資産と68億ドルの負債が記録されたとブルームバーグは伝えた。また、コダックはシティグループから運営資金として18ヵ月間にわたり、9億5000万ドルの融資を受けることにした。

アントニオ・ペレス コダック会長兼最高経営者(CEO)は、「理事陣とトップ経営陣すべてが、破産申請がコダックの未来のために必要な正しい道だと考え、満場一致で合意した」と明らかにした。続いて「コダックは、他の企業らと同じように研究と特許取得で素晴らしい成果を上げたが、商品を商業化する能力は不足していた」とし、「事実上、商業化には大失敗した」と話した。コダックは破産保護申請のためにドミニクディナポリFTIコンサルティング副会長を最高構造調整責任者に任命した。

コダックは、一般人が使いやすいフィルムとこれを活用した便利なカメラ(ブラウニー)として登場、1900年代のカメラ市場を掌握した。しかし、デジタル写真という新しいパラダイムに便乗できないまま下降していった。富士フイルムなどの他のカメラ会社が、デジタルカメラへの転換を急ぎ積極的に対処した反面、コダックは自社が保有するあらゆる特許だけを信じて何の行動にも出なかった。世界で最初にデジタルカメラを開発したコダックとしては、フィルム市場での主導権を放さないようにしていた消極的な戦略の逆風をむかえたことになる。

ロバート・バーリー ライアーソン大学教授は「コダックは、過去の名誉にとらわれて失敗した代表的な企業」とし、「コダックの過去の栄光は、今は厄介なだけだ」と指摘した。

コダックは破産保護申請に先立ち、三星電子のスマートパッド(タブレットPC) 「ギャラクシータブ」が自社のデジタルイメージ関連の技術特許を侵害したとして、18日ニューヨーク,ロチェスター連邦裁判所に提訴した。

コダックが主張している特許は、カメラ機能に活用されるデジタルイメージ保存および送信関連の技術特許5件。コダックが三星電子に特許侵害訴訟を提起したのは今回が2回目だ。三星電子は去る2010年、カメラのプレビュー機能と関連してコダックに550万ドルの技術使用料を支給する契約を結んでいる。現在、コダックが保有している特許の価値は30億ドルで、保有特許がコダックの最後の砦となるわけだ。

コダックは去る10日、アップルと台湾のHTCが自社の特許4件を侵害したとして訴訟を提起、リサーチインモーション(RIM)はイメージプレビューの特許を侵害したとして、米国際取引委員会(ITC)に提訴した。コダックが保有するデジタル写真技術関連の技術特許は1000件余りに達すると推定される。

ジョン・ソヨン記者

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