知的財産ニュース 韓国特許庁、模倣キャラクターの根絶に乗り出す

2012年7月18日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、18日、「ソウル・キャラクターライセンシングフェア2012」が開催されているコエックスにて、韓国コンテンツ振興院とMOUを締結し、両機関が韓国のキャラクター産業の育成と保護に向けて知的財産権分野での相互協力と共同努力を強化することで合意した。

「ポロロ」や「プカ」といった国産キャラクターの認知度が高まり、様々な関連商品への需要が増えるにつれ、国産キャラクター産業の規模も2005年2兆700億ウォンから2011年7兆2000億ウォンと6年で3.5倍も急成長し、関連輸出額も2010年3,200億ウォンから2011年には4,250億ウォンと30%も急増するなど、文化商品の韓流化に貢献していることが判明した。

しかし、産業規模自体は拡大しているものの、アニメーションなどの登場人物「キャラクター」は、デザイン権で保護されず、「マシポロ(マシマロとポロロの特徴を組み合わせた人形)」のようなニセキャラクター商品が市場に出回っており、産業育成に大きな足かせとされている。

こうした状況を受け、両機関は、キャラクター関連情報交換とデザイン制度の見直しを通じて、ニセキャラクターの根絶に積極的に取り組むことにした。

韓国コンテンツ振興院が3万件以上の韓国キャラクター商品の資料を収集して特許庁に提供し、韓国特許庁は、振興院から提供された関連商品のDBなどをデザイン審査資料として活用してニセキャラクターのデザイン登録防止に取り組むという。

また、韓国特許庁は、関連業界の知的財産創出と認識の向上に向けて教育・セミナー・相談などを支援し、振興院は、キャラクター保護のための特許庁のデザイン制度の見直し及び運営に積極的に協力するという。

韓国特許庁はまた、人形のような具体的な商品デザインではない「キャラクター」デザインそのものがデザイン権の保護対象になれるよう、デザイン保護法を今年度中に改正するほか、国内の有名キャラクターを模倣したデザインがデザイン権として登録されないように創作性の要件を強化することにした。

韓国特許庁の関係者は、「著作権より強力なデザイン権でキャラクターを保護することで、中小企業の真正キャラクター市場を模倣品から保護できるよう、韓国コンテンツ振興院と緊密に協力していきたい」と述べた。

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