知的財産ニュース バイオテクノロジー、他分野より特許競争力が低い

2012年7月1日
出所: 電子新聞

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韓国で出願されている生命工学(BT)分野の特許率が情報通信技術・電機などの他の分野に比べて低調であることが判明した。BT分野の特許出願件数の割合も先進国より低い水準にとどまっている。

1日に発表された韓国科学技術企画評価院(KISTEP)の報告書によると、BT分野における特許集中度を現わす顕示比較優位度指(Revealed technological advantage: RTA)の2007年から2009年までの結果は、0.7にとどまった。デンマーク(2.2)、ニュージランド(1.9)、豪州(1.5)、米国(1.4)より大きく後れを取っている。10年前の顕示比較優位度指(1997~1999年)より0.1ポイント下落した。

特許の集中度は、国別にどの分野から多くの特許が出願されているかが把握できる計量的な指標であり、これは顕示比較優位度指で分かる。RTAの値が1.0以上であればその分野の特許集中度が高いということを意味する。KISTEPの李ウォンホン副研究委員は「10年前に比べて、ほとんどの国がBT分野の特許集中度が増加したが、韓国は低下した。ITと電機分野に特許が集中して特許の出願は比較的に低い結果となった。」と分析する。

また、特許協力条約(PCT)で韓国のBT特許が占める割合は、3.24%に過ぎない。一方アメリカは、PCTに出願した特許のうちBT分野が41.52%を占めている。韓国は、EU(28.51%)や日本(10.91%)によりも低い水準だ。PCTは、諸国に特許を出願する際の効率を高めるために締結した国際条約だ。PCTに特許を出願すればすべての加盟国に同時出願することと同じ効果がある。KISTEPは、「BT分野の特許競争力を確保するためには企業部門のR&D投資の拡大が必要だ」と指摘する。

報告書では、韓国のBT分野R&Dのうち、公共部門の投資がドイツ(21.2%)に次いで2位(19.8%)とされている。しかし、企業の研究開発費におけるBT投資の割合が2.7%であった。BT研究開発の投資上位国であるアメリカ(7.8%)やフランス(9.3%)に比べて情けない結果だ。

集中BT企業は、37%程度で、ドイツ(81%)、豪州(73%)に比べても低い水準にとどまっている。集中BT企業とは、全般的な活動がBT活用と関連しており、全体のR&Dのうち75%をBTのR&Dに投資する企業のことを意味する。

クォン・ドンジュン記者

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