知的財産ニュース スマートフォン、グローバル特許訴訟戦拡大

2012年1月8日
出所: デジタルタイムズ

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新年に入り、グローバルスマートフォン業界の訴訟戦が一層激しくなると見られる。 LG電子が米国の特許怪物インターデジタルから提訴され、グローバル訴訟戦に本格的に巻き込まれることになり、また、三星電子とアップルは昨年の仮処分の訴訟戦に続き本案訴訟を控えている。

8日業界によればLG電子がインターデジタルから提訴された。インターデジタルは、LG電子が自社が保有する3G通信関連の特許を侵害したとして、昨年末に米国国際貿易委員会(ITC)にLG電子の携帯電話製品に対する輸入禁止申請を提起、ITCがこれを受け入れて調査に着手したことが確認された。

インターデジタルは、製品を生産せず特許ライセンシングを主な収入源とする特許管理会社で「特許怪物」という否定的な別称でも呼ばれている。5000件余りの3G関連特許を保有しているこの会社は、去る2008年に三星電子をITCに提訴、ロイヤリティーを受け取ることになるなど、LG電子もすでに相当なロイヤリティーを支払っていることが明らかになった。現在はノキア、ファウェイ、ZTEなどと特許紛争を進行中でもある。

これにより、LG電子は通信分野でもグローバル訴訟戦の舞台に上ることになった。LG電子は三菱と携帯電話関連の訴訟戦を進行。しかし、特許の規模面で優秀なインターデジタルのような巨大特許怪物と全面戦争を行ない、世界的に注目を浴びることになった。LG電子関係者は「ITCの調査に協力して対応していく」と話した。

三星電子とアップル間の特許戦争も一層激しくなっている。三星とアップルは、お互いに提起した販売禁止仮処分申請がドイツを除いてほとんど受け入れられず、勝負がつかないまま終わっているなか、今月20日ドイツ裁判所は本案訴訟判決を行なう。本案訴訟では、特許侵害の有無と損害規模、賠償額などを綿密に把握するが、比較的客観的な準拠の標準特許を多量に保有している三星電子が多少有利なのではないかと予想されている。

三星電子はグローバル訴訟戦でも追加的な訴訟を提起するより、本案訴訟を速やかに進行してアップルを圧迫する戦略を取っている。三星電子関係者は「韓国の裁判所の場合iPhone4Sに対する訴訟は進行していないが、これは本案訴訟の進行を早めるためだ」と話した。

このようなグローバル訴訟戦の拡散に、業界は着実に特許権を取得して対応していっている。三星電子がM&A専門の人材を増員したのも、特許戦争の対応と関係がないわけではない。LG電子はLTE特許技術の確保に本格的に乗り出しており、グーグルも昨年モトローラを買収したのに続き、IBMからも携帯電話関連の特許を購入した。

一方、スマートフォン市場ではトップになっていないLG電子さえグローバル訴訟戦に巻き込まれ、パンテックなど中堅企業までグローバル訴訟戦拡散の余波が広がるのは時間の問題と見られる。パンテックのパク・ビョンヨプ副会長は、昨年ベガーLTE発表当時「特許訴訟の刃は、遠からずパンテックにも及ぶことになると当然分かっており、対応を急いでいる」と話した。

パク・チソン記者

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