知的財産ニュース 商標分野G5、国際商標秩序を主導

2012年11月2日
出所: 韓国特許庁

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2013年TM5の年次総会誘致を通じて5大商標大国の指導的な役割を果たす

世界5大商標大国の協議体であるTM5(Trademark Five)の次回の年次総会が韓国で開かれる。韓国特許庁は、10月30日~31日にスペインのバルセロナで開催された5大商標大国の協議体であるTM5の年次総会に参加し、来年度の年次総会の韓国開催を確定した。

韓国特許庁は、今年からTM5に正式加盟し、来年度の年次総会を誘致したことで、「韓国が国際商標制度の議論において主導的な役割を果たせることができた。」と発表した。TM5加盟国には韓国企業が最も多く商標を出願している国であり、TM5総会の活動は、企業の海外での商標競争力を大きく向上させるものと評価されている。 

来年度のTM5総会の誘致で、類似商標や模倣商標による被害を防止できると期待されている。それは、5ヵ国は現在、悪質な商標出願問題について認識を共有し、その対処を講じているためだ。韓国企業が中国や東南アジアなどにおいて模倣商標問題で頭を抱えている今、今年の下半期から中国がTM5に加入したことで、韓国企業が実際に感じる恩恵はさらに大きくなるとみられる。TM5の発足後からは二国間だけでなく、5ヵ国特許庁が取り組む多国間のレベルでも模倣商標問題の解決案が模索されているため、より効果的かつ実践的な措置が検討されると見込まれている。

さらに、5ヵ国の登録商標の情報が統合管理されることで、韓国企業が海外に進出する際、その市場の登録商標の情報を事前に入手できるようになり、より簡単で効率的に商用戦略を立てられる。商標戦略を立てるためには、登録商標の検索が不可欠だが、TM5協力事業の一つとして5ヵ国の登録商標を簡単に検索できるウェブサイトが開発されるためだ。ウェブサイトの開発は、中国に多くの商標を出願している韓国企業にとって有効なものになると期待されている。これまで、中国に商標を出願する韓国企業は、中国の登録商標の情報にアプローチできず、商標戦略の確立に難航していた。

また、韓国特許庁は、韓国企業に友好な国際商標秩序が構築できるよう、新しいTM5協力事業を準備中だ。5ヵ国商標審査官の間で共同審査を行い、その結果を共有して5ヵ国の相違する審査慣行の調整を図る「共同審査プロジェクト」だが、現在、欧州商標デザイン庁(OHIM)とモデル事業を進めている。

キム・ホウォン庁長は、「今回のTM5誘致をきっかけに、韓国が国際商標制度の議論をリードできる基盤が整った。」と評価し、「来年の会議で韓国企業に実質的な支援になり得る協力案が5ヵ国庁長間で合意できるよう、協力課題の解決に向けて積極的に取り組む計画だ。また、この会議は、5ヵ国特許商標庁の代表のみならず、ユーザー・グループの代表、弁理士、弁護士などの専門家が参加する会議であるたけに、順調な開催に向けて徹底的に準備していきたい。」と述べた。

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