知的財産ニュース スマートフォン人気で好調なフレキシブルPCB

2012年8月31日
出所: 韓国特許庁

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フレキシブルPCB関連特許が徐々に増加傾向に

韓国特許庁は、スマートフォンの基幹部品であるフレキシブルPCB分野の特許出願が増加していると発表した。

PCB(Printed Circuit Board: プリント回路基板)は、絶縁基板の上に、電気信号を伝える導体を形成させた電子部品だ。フレキシブルPCBは、延性の良い絶縁基板(主にPolyimide film)の上に銅剝を貼り付け、薄くて柔軟性が良い。従来のPCBでは具現できなかった3次元配線構造を実現し、電子製品の小型化と軽量化が可能であるうえ、反復屈曲に対し、高い耐久性を持っている。

矢野経済研究所が発表した「世界フレキシブルPCB産業の現況」によると、韓国の主なフレキシブルPCB企業の世界市場におけるシェア率は、2008年17.7%から毎年成長し、昨年25.9%となり、2012年には30.2%に達するという。とくに、韓国の中小・中堅企業が注目に値する成長を遂げている。

ここ4年間、韓国特許庁に提出されたフレキシブルPCB関連の出願は、2008年57件、2009年58件、2010年65件、2011年79件だった。韓国中小・中堅企業の出願件数は、同期間にそれぞれ19件、21件、25件、28件と、毎年徐々に増加しており、大企業よりも活発に行われている(資料1を参照)。

規模が急速に拡大しつつあるスマートフォン市場は、PCB分野に新しい成長エンジンになっており、大企業だけでなく、中小・中堅企業も市場を拡大させる絶好のチャンスとされている。PCB関連の中小・中堅企業も市場をリードできる基盤特許を確保するため、戦略的な技術開発が求められている。

韓国特許庁は、R&D特許センターで実施している先端部品・素材産業のIP-R&D連携戦略の確立支援事業に中小企業も参加できるよう、支援しており、特許マップの作成支援、特許技術の先行技術調査、国内外の出願費用支援など、様々な支援プログラムを運営している。

資料:フレキシブルPCB出願の動向(2008.01.01~2011.12.31.出願基準)

図:出願区分別出願件数推移グラフ
図:出願区分割合グラフ

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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