知的財産ニュース サムスン、米陪審員長の違法行為に我慢できず、結局

2012年9月26日
出所: デジタルタイムズ

3786

アップルとの特許訴訟で評決不服法律審理を提出…欧州での訴訟も本格化

サムスン電子が米国裁判所に向けて陪審員の違法行為を指摘し、裁判を改めて行うべきだと強く批判したという。

米国時間の24日、Cnetなどの外国メディアは、サムスン電子がこうした内容を盛り込んだ評決不服法律審理(JMOL)をカリフォルニアのサンノゼ地方裁判所に提出したと報じた。

サムスン電子は、書面を通じて、アップルとサムスンの特許訴訟で陪審員長を務めたベルビン・ホーガン氏の違法行動について指摘した。米国の法律では、裁判所が出した指針と裁判所で扱われた資料以外に個人的な経験や法律知識で評決を行うことを禁止しているが、ベルビン・ホーガン氏がそれを違反したという主張だ。特に、ホーガン氏が今回の裁判で、特許関連の見解を他人と議論するなど、評決に影響を与えたという理由で、サムスン電子は、新しい裁判を要求した。

実際に、一部の陪審員は、評決後に行ったメディアとのインタビューで「IT関連特許を保有しているホーガン氏のリードの下、彼の経験のお陰で評決がスムーズに行なわれた。」とコメントした。

サムスン電子は、陪審員の問題とともに、両社に与えられた25時間の審理時間は短すぎたとも指摘した。審理を始める前にも、50時間に延長する案を要請したが、審理過程では、アップル側の証人を反対審問するに時間を費やし、自社の証人審問に十分な時間を割愛できなかったという。

一方、米国内での最終判決が迫っているなか、サムスン電子とアップルの欧州における訴訟も今週から本格的な審理が始まる。ドイツ時間25日には、ドイツのデュッセルドルフ、イギリス時間とオランダ時間の28日にはロンドンとオランダでそれぞれ審理が行なわれる予定だ。

ドイツのデュッセルドルフ裁判所は、昨年12月、アップルが主張したデザイン特許3件裁判している。以前、デュッセルドルフ裁判所は、サムスン電子の「ギャラクシーTab 10.1」がアップルのデザイン特許を侵害したとして、販売差し止め仮処分の決定を下した。サムスン電子は、「ギャラクシーTab 10.1」を変形した「ギャラクシーTab 10.1N」を発売し、その後も販売を続けている。

イギリスのロンドン裁判所は、7月9日、サムスン電子の「ギャラクシーTab 10.1」がアップルのアイパッドのデザインを侵害していないという判決についてのアップルの控訴審が行なわれる。オランダのヘーグ裁判所では、アップルの常用特許1件についての審理が行なわれる予定だ。

キム・ユジョン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195