知的財産ニュース 「ギャラクシー3」はなぜ?販売差止め申請しない理由が

2012年8月29日
出所: デジタルタイムズ

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アップルの攻勢のなか、「角丸長方形」特許は侵害していないとみられ

サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS3」は、アップルのいわゆる「角丸長方形」の特許を侵害していないという見方が浮上している。

29日のスマートフォン製造業界によると、ギャラクシーS3は、アイフォンと見た目が大きく違うため、アップルが特許権を主張している「角丸長方形」と言われているD087特許侵害の対象外だという分析だ。

ギャラクシーS3が角の曲線や、スマートフォン全体の見た目が違い、アイフォンと混同する可能性がないということを考慮すれば、アイフォンのデザイン特許を侵害していないということだ。

実際に、ギャラクシーS3は、アイフォンのように角の曲線が丸いものの、角度が違い、スマートフォンの4面もやや緩やかであるため、アイフォンとは大きく違うということだ。ギャラクシーS3が公開された当時、外国メディアは、サムスンがアップルのデザイン特許を意識して「弁護士がデザインした製品」と評価した。

しかし、ギャラクシーS3に適用された「マルチタッチで画面を拡大する」機能と、画面を2度タッピングして拡大する機能は、今回の訴訟対象製品と大きな違いがないと評価されている。

ギャラクシーS3の場合、デザインを侵害した可能性は低いが、ユーザー・インタフェース(UI)についてはアップルの特許に抵触する可能性が残っているという。

業界では、サムスン電子が9月に公開すると予想されている新アイフォンに対し、特許逆攻勢を準備していると見ている。

新アイフォンが従来の製品とは異なり、LTE通信網を使用すると予測され、アップルが新製品の発売直後、サムスンは、LTE関連特許を侵害したか検討し、必要に応じて直ちに訴訟で対処するというシナリオだ。

大半が標準特許となっている3G(WCDMA)移動通信特許とは違い、サムスンのLTE特許のなかには標準特許ではない技術も多く、反独占違反にも該当しない。

しかし、サムスンの関係者は、「まだ商品が発売されていない段階なので特許法律の攻勢を予定、検討してはいない。ただ、製品が発売されてから検討が行なわれる可能性はある。」とコメントした。

パク・チソン記者

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