知的財産ニュース サムスン‐アップルの特許訴訟における交渉、最終的に決裂

2012年8月19日
出所: デジタルタイムズ

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21日の陪審員判決で悲喜こもごも予想
24日の公判を控えている韓国裁判所にも影響
グーグルもアップルに訴訟を提起、特許戦争が拡大

サムスンとアップルの間で繰り広げられている特許訴訟合戦が米国裁判所による最後の仲裁努力にもかかわらず、最終的に決裂した。したがって、米国時間の21日に予定されている陪審員評決によってサムスン対アップルの勝者が決められる。米国における陪審員評決に続き、24日には韓国裁判所の1次判決も予告されているため、今週中にサムスンとアップルの特許訴訟合戦のピリオドが打たれると予想されている。

しかし、アンドロイドの代表者グーグルの傘下にあるモトローラがアップルを提起したため、グーグル対アップルによる第2ラウンドが始まると見込まれている。

米国時間の18日、ブルムバーグなどの主要外国メディアは、アップルとサムスンが土壇場で交渉を行ない、17日にサムスン側の最後証人であるウッドワードに対したアップルの反対審問を最後に、それぞれ25時間ずつ、50時間にいたる審問をすべて終えた。

米国カリフォルニアのコウ・ルーシー裁判官は、米国時間の16日、アップルとサムスンの評決が行なわれる前、両社に合意を命令したが、両社ともに特許権侵害を認めておらず、特許ロイヤルティの金額の差もより広がったと伝えられている。

結局、サムスンとアップルの特許訴訟は、米国時間で21日から米カリフォルニア北部地方裁判所で行なわれる陪審員評決でその結果がはっきりとなる見通しだ。両社の弁護団が陪審員への最後弁論などの手続きを終えると最終評決は韓国時間24日か25日に出される予定だ。

陪審員評決を1週間前に控えている現時点で、米国でも未だ判決の輪郭がはっきりされていない。現在ではコウ裁判官が最後まで両側の合意を要請したことや、交渉に不誠実に応じている両社に警告したことから、一方的に勝利する展開にはならないという見方が力を得ている。

特に、17日にコウ裁判官がアイパッドのデザイン特許が無効であることを立証するためにサムスンが証拠として提出した「タブレットPCの原型」資料を証拠資料として採択したので、サムスンに有利になるのではないかという声もある。しかし、米国の陪審員制度の特性上、評決結果を断言することはできない。

専門家は、米国で陪審員による評決結果が24日予定されている韓国での判決にも大きく影響するという見方を示している。ソウル中央地裁民事11部は、当初10日にサムスン電子とアップルがお互い提起した特許権侵害禁止請求訴訟などについての宣告公判を開く予定だったが、「最終的に検討し、判決文を見直す時間が必要だ」として宣告公判を24日に見送りした。

韓国と米国におけるアップルのサムスンの訴訟合戦がいよいよ山場に向かっているが、両社の特許合戦はさらに激化する兆しが見えている。サムスンとアップル両社ともに敗訴した場合、最後まで控訴する構えを示しているうえ、アンドロイドの代表者グーグルがアップルを相手に直接訴訟を提起して反撃に乗り出したのだ。アップル対サムスンの特許訴訟合戦から始まった攻防が、スマートフォンのプラットフォーム代表者2社が本格的な全面戦に入ると見られている。

一方、グーグルは、現地時間の18日、アップルが自社製品に採用している音声検索プログラム「シリ」、位置確認機能などが自社特許7件を侵害したとしてアップルを米国国際貿易委員会(ITC)に提訴した。モトローラは、アップルが自社特許を侵害したことが確認されれば、アップルのアイフォン・アイパッドなどの米国内輸入を停止すべきだと主張している。アンドロイドの代表者グーグルが直接アップルとの全面戦に取りかかったのは初めてだ。

金ユジョン記者

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