知的財産ニュース 韓国特許庁、「審査・審判業務にスマートエンジンを搭載」

2012年12月26日
出所: 韓国特許庁

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知財権関連の法令から審査指針まで検索可能に、審査官に便利

韓国特許庁は、審査・審判の業務に必要な知的財産関連の法令及び規定のみならず、業務マニュアルまで検索・照会できる「知的財産(IP)法令総合情報システム」を開発し、審査官を対象に12月26日から本格的にサービスを開始すると発表した。

これまで審査官は、インターネットを通じて法令情報を検索してきたが、韓国特許庁が今年初めに「クラウドPC」を導入し、審査業務の環境をインターネットと完全に切り離したため、法令情報の検索に不便があった。

「IP法令総合情報システム」は、未公開の特許など、内部情報のセキュリティが一層強化された「クラウドPC」コンピュータ環境上でインターネットに接続しなくても知的財産関連の法令及び訓令、例規、告示など約170種の法令情報を統合検索できるように構築された。

法令の全文提供にとどまらず、法律の条文別に参考条文及び判例・解説、訴訟・審決の事例など、審査に必要な分散されている膨大な量の資料を集め、統合的に提供することで、法律の条文について総合的かつ立体的に把握できるように構成した。

特に、最近制定・改正された法令、最近の施行法令、施行予定法令を別途のコーナーに設けて提供し、沿革別表示、条文別3段表示など、様々な機能も提供して審査官が法令の変更事項を分かり易くて正確にその場で確認できるように手を加えた。

その他にも、審査業務に必要な細部の基準を提示し、審査の統一性・正確性・公正性を高めることに大きな役割を果たしている審査手引書など、特許業務の遂行に必要な約100種のマニュアルを電子ブック(e-book)化し、オンラインで閲覧・検索できるようにした。

加えて、審査によく引用・参考される法条文とマニュアルをスクラップできる機能やスクラップした資料に関連ファイルやメモを入れる「自分の知識ノート」を作ることができる。審査官は、審査のノウハウをそのまま活かせる知識ノートを共有し、活用・精製しながら質の高い審査のきっかけになると期待されている。

韓国特許庁情報企画局のビョン・フンソク局長は、「審査の正確さを高めるよう、制定・改正された法令及び業務マニュアルを迅速に反映し、今後、コンテンツを多様化かつ最適化して国民向けサービスに拡大・発展させていきたい。」とコメントした。

IP法令総合情報システム
e-book方式の電子業務マニュアルサービス

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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