知的財産ニュース カラー鋼板市場が拡大基調

2012年11月19日
出所: 韓国特許庁

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関連技術の特許出願も引き続き増加

最近、金属に色を利かせた色とりどりのカラー鋼板の需要が増加している。カラー鋼板とは、一般的な鋼板に塗料を塗ったり、フィルムを貼りあわせたりした特殊鋼板のことであり、多彩なカラーや模様など外見が華やかなうえ、再加工の必要がないため人気が高くなっている。

こうしたカラー鋼板は、洗濯機、冷蔵庫、テレビなどの高級家電製品の表面用に多く使用されており、特に、室内インテリア用の建築材料として人気を得て市場規模が急拡大している。

年間115万トン水準の韓国のカラー鋼板市場は、「トングク製鋼」の子会社である「ユニオン・スティール」が3割以上のシェアを占めて市場をリードしており、「ポスコ鋼板」が2割、残りは「トンブ製鉄」などの約10社が占めている。「ポスコ経営研究所」によると、グローバル経済の不確実性が続いているなかでも、2013年カラー鋼板の内需市場は、3.3%以上増加すると見込まれている。

このため、「ポスコ」は子会社であるポスコ鋼板を通じて生産・販売してきたカラー鋼板を開発から供給まで直接手掛けることを決めたほか、ユニオン・スティールは、釜山工場に2の新規ラインを増築した。一方、トンブ製鉄は、タイにカラー鋼板の生産工場を建設するなど、関連メーカーが供給量を着実に増やしている。

カラー鋼板の競争力の源泉は、鋼板の表面技術だ。韓国特許庁によると、2004年から2010年まで、カラー鋼板製造技術の特許出願は367件であり、2004年に33件、2010年に88件が出願されるなど、関連技術の特許出願が毎年増加している。

カラー鋼板技術の出願別の動向をみると、ポスコ44%、トンブ製鉄6%、「現代ハイスコ」6%、ユニオン・スティール5%、「新日本製鉄」などの日本勢が16%、その他が23%を占め、比較的に韓国の大手製鉄メーカーが技術開発をリードしていることが明らかになった。

技術分野別では、反応性の被覆処理方法に関する出願が31%と多数を占め、溶融メッキ関連が27%、複合被覆層が17%、その他被覆処理方法に関する出願が25%を占めている。

韓国特許庁金属審査課のソ・ヒョンヨン課長は、「カラー鋼板の市場が大きく成長しており、競争も激しさを増しているだけに、カラー鋼板の製造技術の特許出願も相当の間、持続的に増加するだろう。」という見通しを示した。

参考資料

1. 年度別のカラー鋼板技術の特許出願の動向(単位:件)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

合計

韓国人

23

27

32

34

41

45

74

276

外国人

10

12

10

10

17

18

14

91

合計

33

39

42

44

58

63

88

367

2. 出願人別のカラー鋼板技術の特許出願の動向

出願人

出願件数

割合(%)

ポスコ

163

44

トンブ製鉄

22

6

現代ハイスコ

21

6

ユニオン・スティール

17

5

新日本製鉄

23

6

JFEスティール

19

5

神戸製鋼所

17

5

その他

85

23

合計

367

100

3. 技術分野別のカラー鋼板技術の特許出願動向

技術分野

出願件数

割合(%)

反応性の被覆処理方法

113

31

溶融メッキ処理層

99

27

複合被覆処理層

64

17

その他の被覆処理方法

91

25

合計

367

100

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