知的財産ニュース アップルの目論見、特許期間の短縮で…

2012年11月28日
出所: 電子新聞

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アップルがサムスン電子との訴訟で10億5000万ドルの陪審員の評決を出したコアデザイン特許の有効期間を短縮することで同意した。サムスン電子が米国カリフォルニア州のサンノゼ連邦地方裁判所にアップルのデザイン特許2件がほぼ同然だとして特許の無効を主張し、それを回避するための対策だと分析されている。

28日の外国メディアによると、アップルは、サムスン電子のスマートフォン端末12機種が侵害したと認められた677特許の有効期間を短縮するという「権利期間の一部放棄(terminal disclaimer)」を米国特許庁に提出した。

677特許は、サムスン電子とアップルの特許係争の核心的な争点だった「角丸長方形」のアイフォンに関する内容だ。

サムスン電子は、評決後、アップルのデザイン特許677は二重特許(double pateting)だとして無効を主張した。もう1つのデザイン特許087と同然だという理由からだ。

これについてアップルは、677特許の有効期間をこれより先に出願した087特許の期間と同じくする「ターミナル・ディスクライマー」で対応したのだ。D677特許の有効期間は、16カ月が短縮されるが、そのまま維持される。D087特許は、2007年7月に出願され、2027年まで有効だ。

外国のメディアや専門家は、評決後、サムスン電子が持続的に提起している主張を裁判所が受け入れるかどうかは分からないと分析している。サムスン電子は、不十分な証拠で論証し、裁判官も陪審員の評決を修正しなければならないが、こうしたことは実現される可能性が低いとの説明だ。また、サムスン電子が評決以前にこうした問題を提起していたなら、陪審員の陪審額の算定は異なった結果になったという見方も示した。

D677特許が無効化されれば、裁判官がこの特定特許の価値をどれほど高く評価するかは未知数だが、アップルに実質的な打撃になり得る。米国知的財産権コンサルタント企業Tech IPMのイ・グンホ代表は、「権利を放棄しても677特許と087特許は維持され、有効期間が先行特許の満了時に消滅される。アップルは、サムスン電子による特許無効化を防止しただけであって、権利を放棄したわけではない。例え、677と087特許が同じ発明に対する特許であれば、評決には問題があるし、この事項が裁判所の判断に何らかの影響を与える可能性もある。」と説明した。

キム・インスン記者

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