知的財産ニュース 私もベストセラー作家!

2012年4月12日
出所: 韓国特許庁HP

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電子書籍が、ベストセラー作家の夢を叶える。高い出版費用や流通・広報費用も電子書籍ならば心配する必要はない。一人だけのためのただ一冊の本を出版でき、ツイッターやフェイスブックなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)で、自分の電子書籍を宣伝することもできる。

韓国特許庁によれば、電子書籍関連の特許出願が大幅に増加している。年度別では、2006年まで毎年20件余りに過ぎなかったが、2007年34件を基点に着実に増加し、2011年には110件に達している。出願人は個人が27%、中小企業および研究所が37%、大企業が32%で全般的に均一に分布しており、外国人出願は4%程度。

細部技術別では、マルチメディア動画の提供、メモ・ノート機能、従来の紙版書籍を電子書籍に変換、読者間の情報共有等の電子書籍コンテンツ技術、タッチスクリーン等使用環境改善のための端末技術、電子書籍を利用した広告技術、電子書籍の貸し出し・管理用の電子図書館技術等の特許出願が主にされている。

電子書籍関連の技術は、単純に活字をデジタル化して、紙版書籍のような趣を具現する技術からオンライン学習支援、1人出版支援のような様々なビジネスモデルと結合する方向に変貌している。

市場調査機関PWCによれば、1)世界の電子書籍市場は年平均34.7%ずつ成長して、2015年には123億ドル(図書市場の10%)に達すると見込んでいる。米国最大のインターネットブックストアのアマゾンは、既に2011年1月の電子書籍の売上げが紙版書籍を追い抜き、国内の大手書店およびインターネットブックストアも実利型の端末機と多様な種類の電子書籍の販売に力を入れ、電子書籍市場の拡大を準備している。

今後、超高速インターネットおよびモバイル端末の大衆化に伴い、図書分野のコンテンツ取引は急速にサイバー空間上の流通に代替されると思われる。また、電子書籍端末機性能が進歩することにより、電子書籍コンテンツは単純に文字や絵を超えて高画質動画や読者の反応に連動する情報を提供し、教育・医療分野などでは紙版書籍で伝達することができなかった情報まで伝達できるようになった。これらは、迅速かつ便利な取引と直観的かつ積極的な情報伝達に慣れた現代人の欲求を満たすものとして、関連の特許出願も大幅に増加すると見られる。


注記

1)情報通信政策研究院放送通信政策 第23巻21号通巻520号に掲載されたPWCの2011年基準市場調査結果。
PWC(PricewaterhouseCoopers):イギリスに本社を置くコンサルティング企業で、世界4大コンサルティング企業の一つ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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